残雪期の至仏山でファミリースノーハイク

尾瀬

2023.4.30の事。一年以上前の話でごめんなさいだけど、残雪期の至仏山を家族で歩いた記録。

至仏山へトライ

前回の赤城山スノーハイク(=2023年2月の話)は、ソウタが参加できず4人でスノーハイク。僕意外の3人は前爪アイゼンを付けて歩く練習。大きなトラブルもなく、スムーズなアイゼンワークだったので次のステップへ。

GWの時期は山域選びが難しいよねって話は、3年前の編笠山スノーハイクでも書いたけど、残雪期の至仏山は正直、簡単ではなくて、一度歩いてるからわかるけど、小至仏山のトラバースが怖い。そこが心配すべき区間。装備に不足はないので、ゆっくり丁寧に歩きさえすれば大丈夫だろうと判断。もちろん、前後を僕とソウタでサポート。

雪の赤城山で家族登山

編笠山でファミリーハイク

残雪期の至仏山は、8年前にソウタと二人で登っている。こんな小さな時に一緒に歩いてたなんて、今では信じられないw。勢いとモチベーションの大切さを痛感している。登山を始めたばかりの頃の初期衝動はすごかったんだなぁと。

雪の至仏山へ〜子供と雪山テント泊ハイク(後編)

雪の至仏山へ〜子供と雪山テント泊ハイク(前編)

東京から片品村までは、それほど遠くないので夜中に出発し、日の出前に尾瀬戸倉駐車場に到着。始発の少し後のバスで鳩待峠へ移動。ヒップソリは下山時のソリ遊び用なのでマストアイテム。この時期のお楽しみの一つである。昔はさ、エアボードなんていうものを担いで登ってたわけでして。

久しぶりの鳩待峠。家族5人で来るのは2018年夏以来。その時はテント泊装備を背負い、鳩待峠からアヤメ平を経由して見晴キャンプ場でテント泊。翌日に尾瀬ヶ原を歩いて鳩待峠まで戻るルートだった。とにかく暑く、人も多く混雑していたけど、尾瀬でテントに泊まることができて、とても印象に残る山行だった。

家族全員で初めてのテント泊ハイク~夏の尾瀬へ(後編)

家族全員で初めてのテント泊ハイク~夏の尾瀬へ(前編)

登山口ですぐにアイゼンを装着。序盤はなくても歩ける状態だけど、アイゼンを付けた方が圧倒的に歩きやすく、そして早い。ピッケルの出番はトラバースまで無し。

日帰り雪山装備は、アソビトギアのASOBI-TRAIL15にパッキング。各自の保温着やエマージェンシー装備、食料、ピッケル&アイゼン&ヒップソリをパッキング。15リットルもあるので、子供達の雪山日帰り装備でも余裕を持って収納できる。アックスループ付きなのでピッケルも想定しているし、バンジーコードはやっぱり便利でヒップソリをバウンドした。

歩き出してからの30分は人が集中しているので混雑気味。でも、時間と共にバラけてくるので(←これ親子登山では重要)、気にせずマイペースで登っていくのが良い。無理に引っ張られると早々にバテるから。この日の気温は暖かく、それぞれベースレイヤー1枚で歩いている。ユウタは定番のキャプリーン(ソウタの時からだから10年以上着ている)、ゲンタとソウタはアイスブレーカーのメリノウールシャツ。僕もメリノ1枚。妻は寒がりなので、+フリースを着用。

ストックを車に置いてきてしまい、、ちょっと困ってたところに長さ太さ共に最適な枝が落ちていたので、それを使うことにした。トラバースでは僕のピッケル代わりに。

ヒップソリのパッキング率が案外低い…。ぶっちゃけると、ソリで滑るのと歩くのはほぼ変わらないスピード。いや、ソリの方が遅いので、童心に帰らない大人以外には必要のない道具なんだけど。うちは、ヒップソリガチ勢なのでw

残雪期の至仏山は、本当に人気がある。ハイカーはもちろん、バックカントリーのスキーヤー・ボーダ―まで。場所により、このくらい混んでいる場面もあったりして、親子登山ハイカーにとっては後ろが気になるところだけど、雪があるとトレース以外でも歩きやすいから、早い人は普通に抜いていくから、それほど気にせずに。

徐々に傾斜がキツイ場所も増えてきて、至仏山の山頂もチラリと見えたり。この坂は、帰り道にソリで滑る…。子供達には間違いなく楽しいところ。

至仏山の山頂がはっきりと見えてきた。

振り返れば尾瀬ヶ原が徐々に姿を現しはじめ、その奥には燧ヶ岳。3年前に父子で登ったね。

燧ヶ岳で子連れハイク~雪渓を越えて

ゲンタにはアソビトギアのモデルとして毎回写真を撮らせてもらっている。いつもありがとう。

ママとソウタのツーショット写真も貴重。あっという間に背が伸びて、ブログを書いている2024年6月で170cmを越えた。パパはまだ抜かれてないけど、抜かれるのも時間の問題だろう。

燧ヶ岳をバックにこの日のベストショット。家族みんなで雪が残る至仏山を歩いている。とっても貴重な体験をしていると思う。

子供達の足元装備について。まずはゲンタ。忠太さんからお下がりでいただいたキャラバンのスノーブーツ。女性用として販売されていた冬靴のようで、サイズも24cmと絶妙で保温材も入っている。靴底は硬めで12本爪アイゼンもしっかりと装着できる。アイゼンは、クライミングテクノロジーのヌプツェ12本爪。新品なのでめっちゃ効きが良い。ピッケルは、ソウタが使ってたペツルのグレイシャーライトライド。

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ユウタは、ソウタ・ゲンタが履き続けてきたコロンビアのバガブーツ(今は廃盤かな?)に、ブラックダイヤモンドのコンタクトストラップ10本爪を装着。ピッケルはブラックダイヤモンドのレイブンウルトラ。これからたくさん使うだろうから新品を買ってあげた。

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ソウタは、大人用の前後コバ付きの冬靴を購入。Kayland HASSIA WINTERに、ブラックダイヤモンドのセイバートゥースプロ12本爪を装着。誰よりも良い道具を使っているw。雪山登山歴も10年を超え、安定感がある。バランス感覚が良いのよね。羨ましい。この時はまだ13歳で中学2年生。ピッケルはエーデルリッド。

小至仏山へのトラバースの前に撮影タイム。

子供達に夫婦2人の写真を撮ってもらった

妻の足元は、AKUの冬靴にカジタックス12本爪。ピッケルはペツルのスノーウォーカー。僕はノースフェイスのヴェルト S6K グレイシア GORE-TEXに、カジタックスの12本爪(セミオート)。これから何度か歩くだろうと思い、2023年の冬に足りない分の装備を新調し、こうして家族みんなで歩くことができている。

ヴェルト S6K グレイシア GORE-TEX/ノースフェイス

さぁさぁ、問題のトラバースへいざ。

まだ余裕のユウタ。

僕とソウタ以外、このトラバース区間はやっぱり怖かったと。踏み外したりしないか、アイゼンを引っ掛けて転ばないだろうか?等、心配でドキドキしっぱなし。早くこの区間が終わって欲しい。心底そう思った。写真ではうまく伝わらないかもしれないけど、結構なトラバース斜面なのよ…。

少し斜度が緩めば気持ちも楽にはなるけど、まだまだ注意深くいかきゃいけない。実際の時間より長く感じたと思う。怖い思いをさせてしまい少し反省。でも、後ろからみている限りでは危なっかしい場面もなく、落ち着いてペースを乱さず進めていたと思うよ。

トラバースを終えたら、気持ちに余裕も出て笑顔が戻ってきた。

さぁ、もうすぐ山頂だ。

尾瀬ヶ原越しの燧ヶ岳とお隣に会津駒ヶ岳。この景色を見せたかったんだ。

残雪期の至仏山に登頂~!おめでとう!達成感ハンパナイ。

武尊山を眺めながらの下山

山頂は大混雑。ゆっくりする場所もないので写真を撮り終えて早々に下山開始。当初の予定は、GW期間限定の山の鼻への下山コースを使うつもりでいたけど、登り返しがキツそうという理由と、ヒップソリを楽しむなら同じ道をピストンで帰った方が楽しいだろうと判断。残雪期に山の鼻から一度登っていて、ヒップソリには向かないくらいの斜度だった記憶。またトラバースを使うのは嫌だけど、我慢して歩くと。結果的には、僕ら家族にはピストンで良かった。

武尊山の頂きへ~厳冬期・子供と雪山ハイク

帰りのトラバースは、気持ちに余裕があったのか、慣れてきた部分もあって、それほど怖がることもなかった。もちろん気は抜かずに。ピッケルは山側に、そこは徹底して。アイゼンも全員が前爪ありの12本爪なのでしっかりと効いている(ユウタは前爪10本)。すれ違いは無理せず譲り、ゆっくりと。そんな感じで帰路も無事にクリア。

トラバースが終わって、このまま一気に下山しても良かったけど、お腹が空いたと言うので見晴らしの良いポイントでランチタイム。尾瀬ヶ原と燧ヶ岳を眺めながらカップ麺やお菓子を食べる幸せな時間。

お待ちかねのソリタイム。ソリに最適な斜面ばかりなので、ひたすら滑って下山。小学生の2人は、もちろん楽しんでいるけど、中二のソウタも同じくらい楽しそうにしてるのを見ると、まだまだ子供なんだなぁと思った。

鳩待峠ピストンにして大正解。やっぱりヒップソリはこのルートの方が滑りやすい。ほとんどの人がGW限定で山ノ鼻に降りているから、下山は人も少なくて、気兼ねなく滑りまくれるのも良いね。尾瀬ヶ原を眺めながら降りていく素晴らしさもあるけど、子供連れでソリを楽しむのならピストンもオススメ。

枝ストック、最後まで大活躍(笑)

無事に滑り終えて鳩待峠に到着。おつかれさん。残雪期の至仏山を堪能できたー。

行きに少しだけ怖い思いをさせてしまったのは申し訳なかったけど…、残雪期の至仏山を家族みんなで歩けたことは、とても貴重な経験になったと思うし、あそこ怖かったよねとか、そんな気持ちまで含めて記憶に残れば良いなと思う。2024年のGWは、松本移住もあってどこにも行けなかったから、来年はまた家族でスノーハイクができたらなと思う。

松本へ移住します