2023.3.4(土)のこと。ドリフターズスタンド主催の草ロゲイニングイベント「DMM=ドリフターズスタンドマウンテンマラソン」に初参加。「え?レース?走るの?」な~んて思われた方も多いのでは。それもそのはず、「レース」とか「競技」とか「走る」とか、そんな言葉とは無縁の当ブログ。一般登山道を基本に親子で山を歩くのが我が家のスタイルですからね。それが、ロゲイニングイベントに参加するだなんて、僕自身が一番驚いている(笑)
2023年は、これまでと違った外遊びに挑戦してみようと考えていたところ。例えばOMM。今年14歳になるソウタが参加できるようになるので一緒に出てみようと計画をしている。その前に、ロゲイニングの講習でも受けようかと考えていたところに、ドリフから3月にDMMやりますよ!とアナウンスあり。「初心者歓迎」とあったので、思い切って参加することにしたという訳。とにかく「初めて」のことばかりで緊張するなぁ。
準備編
参加には必携品があり、足りない道具を買い足し、準備を進める。
コンパスは、以前から山歩きの時に持参しているSILVAのNo.3。競技で使えるレベルのコンパスを買っておいてよかった。ソウタ用に同じものを購入。
高度計。スマホのアプリ(ジオグラフィカ等)でも代用できるんだけど、毎回スマホを取り出すのも面倒だろうし、高度計付き腕時計を検討。予算に限りがあるのでProtrekの入門モデルを(一番安いw)。一応、高度計は1m単位。もっと安いものは5m単位になるので、それでは役不足。
あとはマップケース。モンベルのMサイズ。手に入れやすいのと価格重視で。
最後に参考書。今の時代はWEBやYoutubeで情報入手ができるけど、やっぱり手元でじっくり読み込みたいので本を購入。ドリル付きなのも良い。1週間前から読み込んでイメトレ。
DMMの始まり始まり~
集合場所で諸々の説明があり、その後に「地図配布」の儀式。配られた瞬間、あちこちで作戦会議が始まる光景はイメージ通り。焦る気持ちを抑えながら、どうやって回るのかを落ち着いて決めなければ。あやふやなまま、行き当たりばったりでは、間違いなく時間のロス。だからこそ落ち着いてルート決めをする必要がある。初参加の僕らは、ここで飲み込まれて焦ってはいけない。ソウタとあれこれ協議しながらルートを決めた。気が付けば、一番最後のスタートだった。
面白いのが、必ずやらなきゃいけないレギュレーションがあること。羊の餌やり、遊覧船への乗船(片道)、そしてグルメポイント巡り。遊び心が随所にちりばめられている。地域へ還元するという意図があるとの事。素晴らしい。
ナビゲーションがとにかく面白い
地図読みが初めてなので登山道を基軸にしたが、これはスタンダードなコース取りだったと思われる(同様のルートを辿っている参加者が多かったので)。
肝心の地図読み(ナビゲーション)は、結論から言えば、めちゃくちゃ楽しい!の一言。普段は、登山道から外れると子供達に「危ないよー」なんて言っていたけど、今回はその逆で、登山道を外れた場所を歩く必要がある。この「外れる」感覚、最初は怖さを感じていたけど、徐々に慣れていった。1つ目のチェックポイントを取った後からは寧ろ、「外れたい」気持ちの方が強くなったかも(笑)。藪漕ぎしたいって、こんな気持ちなんだw。
記念すべきファーストポイントは、ドキドキもの。地図を眺め、コンパスで方角を定めて進み、目の前にテープが表れた時は、「おぉ!あったあった!」と興奮気味に叫んでしまった。このドンピシャに嵌った感じは中毒性がある。これまでに経験のない新鮮な感じだった。
方角・距離・高度、この3つを意識しながら、地図と目の前の地形を照らし合わせる。ナオキさんも言っていたけど「地図を良く見る事」、これに尽きる。そして、それらの作業がしっかり出来ていれば、テープがその答え合わせ。だから見つけた時は、本当に嬉しい。
※ちなみにチェックポイントに使用したテープは生分解性のバイオテープを使用し環境にも配慮しました。
【DMM2023レビュー②】NAOKINGの視点 (レースディレクターの意図)
2つ目のテープ。こまめに目の前の地形と地図を照らし合わせながら、高度と方角を確認し、間違えていないはずと下ること約10分。目の前にテープが見えた!1つ目のポイントより登山道からの距離があったので不安もあったけど、ナビゲーションに間違いはなかったんだと自信に繋がった。達成感は1つ目より上。
さまよい、あきらめ、そして発見
次のポイントに向かう途中、ヤスさんチームに遭遇。大人の真剣な外遊びには笑顔が似合う!
3つ目のテープを発見。ここのCPでやらかしてしまった。2回も通ったのに、二人して見逃してしまった場所。諦めて次に向かおうか・・・と弱気でいたら、後続の方が来て、僕らの向かった先にありましたよって教えてくれたので、おかしいなぁと思いながら、三度目の正直で捜索してみると、あらまぁ、テープを発見。想像してた場所と違うところにあったw
何故見つけにくかったのかというと、実は、配布された地図の裏に全ポイントの一覧があり、そこに一言コメントが添えられていたんだけど、この存在を最後まで知らずにいたのだ…。そこにはこう書いてあった、「フェンスの角」と。まじか~(笑)。てっきり木に括られていると思っていたので、見落としてしまったという訳。想定より時間をロスしてしまい、初心者の僕らが全部順調に取れるわけないよねってことを痛感した。
もっと探したい
この後、登山道に復帰してお昼休憩。この時点で、僕の両脚は限界を迎えていた(早すぎだろw)。痙攣に近く、歩行もままならない状態。じゃあ次のポイントを・・・なんて話ではなく、正直、下山できるのかどうかの危険なレベル。芍薬甘草湯を忘れてしまったので、塩熱サプリを舐め、梅おにぎりを食べ、水分も補給。でも改善しない。どうやら鉄分(マグネシウム)やカリウムが足りないみたい。
500mくらい歩いて、地面に座り込んでストレッチ。これを繰り返して、なんとか進む。道中、スズさんチームに遭遇し、足の攣りがヤバイって会話をしたところ、マグネシウムのジェルを分けてくれた。本当にありがとうございます!痙攣が完全に消え去ったわけではないけど、観光船まで辿り着けそうな気がする。
こんな状態なので、ソウタには申し訳ないが「服部牧場まで時間内に戻る」ことを最優先とした。とても悔しい。この先、尾根沿いにいくつかチェックポイントがあるので、それだけは確実に取る作戦に変更。予定していた高得点のポイントは残念だけど向かうことすらできない。心の中は「もっと探したい」「もっと藪を漕ぎたい」という気持ちが溢れているのに。
4つ目のテープ。尾根から少し外れるけど、脚を引きずりながらなんとか写真に収めた。相変わらずナビゲーションはバッチリだ。
この日、5つ目のテープ。ここは登山道の脇にあったポイント。ただ、見つけにく場所にテープがあったので、地図をしっかり見つめる必要があった。
6つ目のテープ。ここはほぼ登山道の脇。脚に優しいCPだ。この先にある40ポイントと、どうしても取りたかった100ポイントは無理なので諦めて遊覧船乗り場へ向かう。(100ポイントは翌日に…)
なんとか下山できて、でも歩くだけで攣ってしまう両脚。だましながら歩いてると、ヤスさんチームが走って追い抜いていく。走れるってカッコいいし、羨ましいとさえ思う。楽しむことの前提に、走力や体力があるってことを痛いほど感じた1日だった。誤解しないで欲しいのは、別に走らなくても良くて、歩いてポイントを取ることでも十分に楽しめるってこと。「走れたら、もっと楽しい」ってこと。
ギリギリ想定だった遊覧船乗り場への到着も、出航30分前に着くことができた。近くにあるポイントを回りたかったけど、ソウタから「無理でしょ」って冷静な返し(笑)。おっしゃる通りですw。息子の足を引っ張るダメな父親(涙
遊覧船を降りたら脚が少し回復していたので、高まる「探したい」欲求を満たすため、途中のCPへ入った。無事にテープを発見して8つ目ゲット。地図読み楽しいなぁ。7つ目のCPは、宮ヶ瀬ダムでダムカードをもらう事だったので、遊覧船を降りてゲット済み。39個あるCPの8個しか取れなかったけど、トライ成功率は8分の8だったので上出来でしょう。スマホのGPSも使わず、地図・コンパス・高度計だけで乗り切れたこと、相当な自信になった。
くじで引いたグルメポイントは服部牧場内だったので、戻る前にソーセージを購入して腹ごしらえ。粗挽きソーセージがうますぎた。塩分サイコー!
これでレギュレーションも全てクリア。あと10分くらい時間があったので、一番近くのCPを捜索。藪漕ぎしたけど、残念ながらここのCPだけ発見できず。悔しい~。
5分前に無事帰還。いやはや、時間一杯まで楽しいイベントだぞ、DMM。
初めてのDMM。イベントやレースに参加すること自体めったにないので(初めて)、どれも新鮮なことばかりだったけど、地図読みと言う行為が、これほど楽しく面白いものだとは思わなかった。これからの登山が、何倍も楽しくなる、そんなきっかけを与えてくれたDMMには感謝しかない。「登山の先の新しい外遊び」って表現があるとしたら、地図読みはその1つであると思う。個人的な反省点は、身体面の準備不足。脚の痙攣さえなければ、もっともっと楽しむことができたから。それと、余裕がなくてゴミ拾いが出来なかったこと。この2つは猛省。
- 初心者歓迎→たぶん合ってる。優しく迎え入れてくれる。とは言え、最低限のコンパスワークは必要と感じた。
- 親子参加も◎。安全面に配慮して、無理のない範囲で楽しめば良い。
- 走らなくても良い。走れなくたって楽しいから
- ナビゲーションがスコーン!と決まった時の爽快感?がすごい。アドレナリンが出る。
- テープ(チェックポイント)は答え合わせ
- 地図をしっかり読むこと。目の前の地形と地図を合わせる。
- 他のロゲイニングに参加したことがないから比較できないが、コースディレクターのナオキさんが作るチェックポイントはレベルが高いと思われる。
- ゴミを見かけたら拾いましょう。
楽しい外遊びの機会を作ってくれたドリフとナオキさん、そして関係者の皆さん。ありがとうございました!
それは中毒です
DMMを楽しんだ翌日。前日にトライすらできなかった100ポイントのCP。表彰式では、見つけた人、見つからなかった人、スマホを落とした人までいて(笑)、どんなところだろうと気になって気になって(笑)。これはもう行ってみるしかないだろうと、今にも雨が降り出しそうな日曜の午後、家族5人で沢に降りた。こんな状況でも付き合ってくれた妻には感謝。いきなり道なき道を歩かされて、びっくりしたはず(笑)
地図とコンパス、高度計を頼りに地形を見ながら進む。該当の谷は、地図にある通り広葉樹と針葉樹の植生が別れる部分だったので非常にわかりやすかった。今日のナビゲーションはソウタにお願いした。
高度計を見ながら、この辺だろうと推測。距離も合っている。一言コメントを読めば・・・
一発で100ポイントに辿り着けた。ナビゲーションには自信が出てきた。さまようことなくスムーズに辿り着ければ、時間内で多くのポイントを回れることになるから、地図読みスキルが上達すれば、多少だけど走力をカバーすることもできるはず。まぁ、体力が前提であることに変わりはないけど。
帰り途中、ソウタがまさかのスマホ紛失。前日、スマホを失くした方がいて、まさかの2日連続?。幸い、近くに落ちてたので無事回収。焦った。
アフターDMM。「もっと探したい」欲求を少しは解消できたかな。ナオキさん曰く「それは中毒です」とのこと(笑)。なるほど、これが冒険中毒への入り口・・・すっかりハマってしまったようだ。
せっかく作ってくれた数々のチェックポイント。DMMは1日で終わるけど、こうしていつでも遊べるのが良いところだと思う(テープは2年くらいで分解されてしまうみたい)。「しっかり遊び尽くす」、これが開催してくれたドリフ&ナオキさんへの僕なりの感謝の仕方。時間のある時に、地図とコンパスを持って愛川町でアフターDMMを続けてみようと思う。あー、楽しかった。
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