西日本最高峰の石鎚山(愛媛県)へ~家族登山

山遊び

2018.5.5、愛媛県の石鎚山を家族で歩いてきました。

山でリハビリ

5/1にソウタの定期検査に行ったところ、通院によるリハビリの必要なしという診断。リハビリ科に通ってガッツリやらないと戻らないかも・・・という心配も杞憂に終わってホッとした。肘も思いのほか伸びてきたし、あとは自宅でリハビリしつつ、今まで通り、たくさん動かすのが一番。なにも予定してなかったGW後半だけど、せっかくだから山とキャンプでリハビリしちゃおうか!って。僕らがしてあげられることは、肘と手をたくさん動かせる環境を作ってあげるくらいだし、我が家らしくていいじゃない。

本人は、「もう前みたく歩けないかも」と、むしろ肘より体力面の不安が大きいみたいね。体力面のリカバリーも必要だから、山の不安は山で解決するのが一番。まだ肘はまっすぐ伸びないし、指の痺れもあって、力も入らないんだけど、これはもう少し時間がかかるから、長い目で見守るしかない。とにかく、肘と手を自然と動かせるように、山へ連れて行くことにした。まぁ、それは表向きの理由で、単に遠征キャンプ&ハイクがやりたかっただけw

愛媛県へ

さて、行き先をどうするか。手軽なところをのんびり歩こうと思い、蔵王山や八幡平で残雪ハイクを楽しむ計画を立てたけど、東北の天気がすこぶる悪い。いや、悪いというか大荒れだ。降雪予報もあるし、風も強そうだし、ヤマテン予報では、特にオススメの山域もなかったので、東北エリアは諦めることに。悪天候とわかって、過酷なエリアでキャンプは、我が家的にはナシです。

西日本の予報を見ると、3日4日は晴れてるけど、気温低下&強風予報。5日はコンディションが良さそうなので、麓でキャンプを楽しみつつ、天気の回復を待って5日にアタックという計画。行き先は、以前から計画していた愛媛県の石鎚山。ちょっと遠いけど(いや、ちょっとではないかw)、頑張っていくことに。長距離遠征が恒例となりつつある…

西日本最高峰、石鎚山

石鎚山(いしづちさん、いしづちやま)は、四国山地西部に位置する標高1,982mの山で、近畿以西の西日本最高峰である。愛媛県西条市と久万高原町の境界に位置する。

石鉄山、石鈇山、石土山、石槌山あるいは伊予の高嶺などとも表記される。『日本霊異記』には「石槌山」と記され、延喜式の神名帳(延喜式神名帳)では「石鉄神社」と記されている。前神寺および横峰寺では「石鈇山(しゃくまざん)」とも呼ぶ。(wikipediaより引用)

今回の愛媛遠征は、新居浜市にあるマリンパーク新居浜が拠点(キャンプレポは別途書きます)。キャンプ場から登山口まで約1時間。アプローチは今まで歩いた山の中でも、比較的楽な方でした。距離も短く、道も綺麗(道幅狭い箇所あり)。同じ四国の剣山に比べると、とっても気楽。

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駐車場がわからずに通り過ぎてしまった。アーケードの下をくぐって入って行くので、わかりにくかったみたい。橋を渡った向こう側にもあったので、それなりにキャパはあると思います。GWの土曜日でしたが、想像よりは車が少なかったかな。(下山後撮影)

石鎚山ロープウェイは1966年設立。歴史を感じます。ロープウェイ、もちろんを使いますよ。

石鎚山ロープウェイ運賃表(2018.5.5現在)

大人往復1950円。小人往復980円
※モンベルカード提示による割引あり(ただし所持者のみ適用)

GW期間中は7:40始発なので、それに合わせて来ましたが、ちょっと出遅れました。

山麓下谷駅から山頂成就駅を結ぶロープウェイ。乗車時間は7分30秒。

山頂成就駅(1280m)到着。石鎚山山頂(弥山)が1974mなので、高低差は約694m。

ご覧の通り、序盤はゆるーく登って行き、二のくさりから、一気に傾斜がキツくなる感じ。距離も片道約5km、往復で約10kmなので、ユウタには未知の距離…。たぶん歩けるだろうと思うけど、もしかしたら無理かもしれない。その時は・・・肩車すればいいかw。それでも無理そうなら山頂組と待機組に分かれるつもり。

いきなり、ウンチ!と言って山頂駅に引き返したユウタ。結局出なくて、出遅れw。高尾山では、快調に歩いていたのに、今日はペースも遅く、止まってばっかり。うーん、今日はダメな日かもしれない。背負子を卒業したので、乗せるつもりもないんだけど、やっぱり愚図ったりすることはあるわけで、持ってくれば良かったかな。難しい。

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石鎚神社からの石鎚山。けっこうギザギザしてて、イメージより急峻。

足慣らしも終わり、さぁここからが本番。3人共、頑張ってね。

服装はキャプリーン1枚で暑い時もあれば、風が強くて寒い時もあり。調整が難しい。去年の大台ヶ原もそうだったけど、この時期の山はまだまだ寒い。子連れなので、念には念を。雨具だけじゃなく、ダウンなど防寒対策はバッチリです。

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晴れて良かった。前日は霧氷が見れるほど寒く、SNSを見ると氷点下だったようです。降雪もあったみたいで、無理しなくて良かったなと。ソウタと二人ならそれを楽しむために歩いただろうけど、家族全員だと、こういう晴れた暖かい日がベスト。

序盤は明るくて気持ち良いトレイルを進む。多少のアップダウンはあるけど、比較的歩きやすいスタート。・・・のはずなんだけど、ユウタは歩きたくない様子、ゲンタもいつものようにご機嫌斜めで、もう歩かないってw。いきなりしんどい感じの雰囲気(汗。2ヶ月以上も歩いてないソウタだけが、いつも通りというのは、安心したけどね。彼に関してはあまり心配いらなさそう。いくつか歩けば、感覚を取り戻すでしょう。

試しの鎖

グダグダ気味で進んできた我が家。気が付けば、試しの鎖に到着。ここで、一気に子供達のテンションが上がり、ゲンタが鎖登りたい!と志願。おぉ、そうか。それならパパがサポートしてあげるから、一緒に登ろう。ソウタもリハビリに良さそうだし、試しに登ってみるか!

ただ、この看板を見て、家族全員での挑戦はやめて、ママとユウタは迂回路へ。子供2+大人1で試しの鎖を“試し”に登ってみます。これが正解でした。

試しの鎖で全長74mもあるとは知らずw。お試しの気持ちで登ってみたら、あ~ら大変(笑)これ、小さな子供2人連れて登るのは、怖いです。見えてるだけの距離なら行けるかなって思ったんだけど、この先に、さらに長い垂直の鎖が続いてるのでしたw

ソウタは、左手に力が入らない状況にも関わらず、上手に登ってる。僕はゲンタで手一杯で、ソウタのことを見てやることができず、上からソウタが落ちてきたらどうしよう・・・という不安(笑)

ゲンタ、怖がってる素振りは見せてないけど、そういう時って逆にかなり怖がってる証拠なんだよね。ふざける余裕もなく、黙々と。「手を離したら落ちる」というのは、理解できているようだw

写真もここまで。この先、岩の間から水が出てて、滑る滑る。そこが難所で、足を引っ掛ける場所も少なくて、久しぶりに鎖だけを頼りに登ったかも。ゲンタのお尻をしっかり支え、一つ一つ登る。もう後には戻れないから…

ゴールが見えてきた。最後は、比較的登りやすく、足もかけられるから普通の岩場に近い。それでも、鎖を頼らないと厳しいか。まさか、試しがこんなに難しいとは・・・。試しに登るってよりも、試されてるといった方が良いのかな。日本屈指の鎖場。「ここを登れなければ、この先はやめておけ」そういう事なんだろうね。

下りもなかなか。試しの鎖は、登り&下りセットなので、けっこう大変だと思いますw。少しの後悔と、それでも登り切った喜びと、子供達の達成感溢れる笑顔を見て、チャレンジしてよかったなって。目が覚めました(笑)

そして、この先の一の鎖、二の鎖、三の鎖、全てスルーしようと決めたのでした。なぜかって?渋滞もあって、結構時間がかかるんですよね。それと、個人的には、ヘルメットがあったほうが良いと思うので、止めることにしました。そもそも、今回は鎖場が目的ではないのでね。いつか再訪する機会があれば、その時にでも。

鎖場で一気に元気になったゲンタ。ソウタと共に先に進みます。ユウタは相変わらずで、歩いたり肩車したり。金時山高尾山と、けっこう歩いてきたから行けるかな?と思ったんだけど、この日は調子が悪かったみたい。少し眠そうにしてるし、そういう日もあるよね。背負子、持ってくれば良かったかなぁ。

ユウタ、頑張れー。階段があったりして、意外とキツイので、そのあたりも影響したのかもしれない。高尾の稲荷山は、かなり歩きやすいから、参考にならないか。

時に肩車。背負子の卒業タイミングって難しくて、眠くなったり愚図ったり、まだそういうこともある年齢だからしょうがないよね。でも、卒業を撤回はせず、肩車で対応した。本当は、ザックの間に挟むのがセオリーなんだろうけどね。次はそれやってみます。いや、もうやりたくないw

ショウジョウバカマ。花も咲き始めてきた。今年は何を観に行こうかな。

一の鎖。全長33m。ここは試しの鎖より簡単そうなので、登っても良かったんですが、時間が無くなってきたので、おとなしく迂回路へ。こうして見ると、試しの鎖、レベル高いわw。

一の鎖を過ぎたあたりから、一気に傾斜が増してきます。目の前には公衆トイレ休憩所。11時を過ぎているし、そろそろお昼休憩にしようか。

休憩所内でカップ麺&おにぎり。お菓子を食べたりして、リフレッシュ。ソウタは問題なし、ゲンタも山頂まで頑張れそうかな。

ここで待機組と山頂組に分かれようかと考えてたら、奥様が、時間あるんだしみんなで行こうよって。そうだよね、ロープウェイの最終に間に合わないほど遅いわけでもないし、ここまできたら、ユウタも一緒に山頂に行きたい。

迂回ルートで山頂を目指す

そうと決まれば、最後のひと踏ん張り。ここからCTで35分。

キャンプ場のある新居浜市や西条市、今治市。その先に瀬戸内海の島々も見える。遠いところまで来たなー。

鎖場の迂回路なので、予想通り階段ばかり。フラットな道だと割とスムーズなんだけど、この手の階段はまだまだ苦手。後ろからくる人に気を遣いつつ、焦らず進むことに。もう少しで山頂だから頑張れ~。ここは危ないから肩車はできないよと伝えたけど、肩車して欲しくて、愚図りながら進むw。

二の鎖、65m。三の鎖、68mはスルー。二の鎖は、なんとか行けそうだったけど、三の鎖は、今のソウタでは厳しそう。握力が万全なら大丈夫だろうけどね。いずれにしても、時間と安全面からスルーです。大人の登山者たちは、鎖を楽しんでましたね。子供もちらほら見かけました。

迂回路も気を抜くと落ちますよ。しっかり手摺につかまって。左側通行なので、下りで怖がってる女性がちらほらと。

石鎚山山頂へ

時間はかかったけど、家族全員で石鎚山の山頂に立つことができたー。みんな、お疲れさま。正確には、弥山(1974m)ですけどね。

さすがにあっち(天狗岳1982m)は危険なので、家族では行けず。一応、山と高原地図では破線ルートなのでご注意を。楽しそうだけど、ぐっと堪える(笑)

ゲンタも良く頑張ったね。鎖場で自信がついたのか、それ以降はいつも通り。やればできる子。奥様も、高度感ある山頂だからなのか、こんなに景色の良い山は初めてかもって。うん、良かった。ソウタも、体力が落ちてるとは言え、10kmなら余裕か。ユウタも、なんだかんだと頑張って歩いた。みんな、頑張った。

山頂はご覧の通り、大勢の人。風が強いので、あまり長居せず、小屋で山バッジを購入して、下山開始。

下山

さて迂回路の下り。ここ、左側に柵がないので、ちょっとスーッとしますw。怖がりな方は、手摺を離さずにゆっくりと。転ばないでね。僕はこの区間、ユウタを肩車。ほんとは危険なのでやりたくないんだけど、自己責任で。足をしっかり押さえて慎重に通過しました。何事もなくてホッ。

寝ちゃったんだよね。公衆トイレ休憩所までの30分ほど、ぐっすり眠ってました。疲れたかな。

気持ち良い尾根。ほんと、良い天気で、ありがとうと感謝せずにいられない。

ユウタも起きて、元気になって、ロープウェイまで頑張って歩いてもらう。ゲンタは、この辺りまでは調子良かったけど、この先で足が痛いと泣きだし、プンプン起こりながら、一人で進んでいった。

迷うような道ではないから、心配はしてないけど、新潟の親子遭難や御岳で親と子がはぐれちゃった件もあるし、やっぱり目の届く範囲でしっかり見てあげないとね。

すっかりご機嫌のユウタ。寝不足だったのかな?絶好調なら、10km歩けてたと思う。これからに期待だね。

無事、ゴーーール!お疲れさまでした。ソウタの左肘が・・・痛々しいw

右手に瓶ヶ森(三百名山)、その後ろに隠れて見えないけど伊予富士(三百名山)があるのかな。ほんのちらっとだけ顔出してるのが笹ヶ峰(二百名山)。左奥の尖った山が東赤石山(二百名山)かな。二百や三百を歩いてる人は、このエリア、密集してますね。縦走が楽しそう。山座同定、間違えてたら教えてください。

駐車場の側を流れる加茂川がエメラルドグリーンで綺麗。気力なくて、下には降りず。子供達は川に行きたがってたけど、すまぬ。だって、この後、キャンプ場に戻って撤収作業して東京戻らないといけないからw

石鎚山、家族登山まとめ

遠征ハイクの場合、移動日にそのまま山を歩くことが多いので、子供達もモチベーションが高いまま歩いてくれてるんだけど、今回は2日間キャンプ場で待機。海キャンプでまったりしすぎたせいか、天気が良かった割に、子供達のモチベーションが低かったようなw(ソウタは別にして)。ゲンタもユウタも、山歩きは初日が良さそう。次の遠征ハイクは、天気次第だけど、できる限り初日に歩こうと思ったのでした。

石鎚山は、小学生2人には問題なくても、3歳のユウタはキツかった。階段とか段差のキツイコースは、どうしても足にくるので、厳しかったかな。それでも、頑張って歩いてたし、こういう成功体験というか、積み重ねが大事なのかな。山歩きは好きみたいだし、期待してる。

鎖場は無理すれば行けただろうけど、少しでも不安があるなら迂回ルートで。サポートするにしても、子一人親一人が良いのでは。あと、小さい子供は、やっぱりヘルメットあったほうが良いと思う。ロープウェイがあるからなのか、観光的な人も多く、被ってる人はいなかったけど、万が一に備えて、個人的には推奨したいです。そんなに鎖場の経験がない我が家ですが、普通に怖いと思いました。

ソウタもゲンタもユウタも、みんなそれぞれ楽しんでたし、頑張ってる姿も見ることができたし、何より家族全員で山頂に立てたから、愛媛県まで来て良かったなーって思えた。色々大変だったけど、結果的にはナイスハイクでした。

必死になって登り切った鎖場は、いつまでも記憶に残るのかな。石鎚山、またいつの日か。