子供と厳冬期テント泊~本沢温泉から硫黄岳へ(後編)

硫黄岳

2020.2.1~2.2、厳冬期の八ヶ岳で親子テント泊登山。2日目は硫黄岳へ。

それほど冷え込まなかった朝

子供と厳冬期テント泊~本沢温泉から硫黄岳へ(前編)

6時過ぎに寝始めたけど、僕は寝付けなくて、目が覚めたり、うたた寝したりの繰り返し。山ではよくあることなんで、まぁいつものこと。シュラフに入りたては寒かったけど、最終的には朝まで暖かさはキープできていた。ウェアは、ダウンパンツもダウンブーツもなしで、ダウンジャケットのみ。ナンガ600に、マットはフリーライトのクローズドセル一枚という、ちょっと貧弱な感じ。底冷えを心配したけど、今回はそこまでの冷えを感じることはなかった。

一方、ソウタはと言うと、もう朝まで爆睡。しかも夜中に寝ぼけて、「誰?」って言われてしまうほど(笑)もうね、食べれて眠れて、本当に羨ましいw。子供だからと言うのもあるけど、それくらいリラックスできていたってことだと思う。言い換えると、今回も就寝装備に問題はなかったと言うこと。

ソウタの装備は、ダウンジャケットにプリマロフトのExtreme Pantsプリマロフトブーティーを身に纏い、シュラフは、ナンガ600とプリマロフトブランケットのダブルコンボ。さらに、シュラフカバーとしてSOLのエスケープビビィを被せる贅沢ぶり。マットは、sea to summitのウルトラライトインシュレーテッドマットが一枚。R値が高いわけじゃないけど、冬季でも問題なく使えてる。

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肝心の気温は、幕内の温度計で-12℃。ステラリッジはだいたい3℃くらいの気温差があるから、外気温は多分-15℃くらいだと思われる。三年前の赤岳鉱泉が朝-20℃だったので、それに比べると冷え込まなかった。まぁ寒いことに変わりないんだけど。

とにかく、久しぶりの厳冬期テント泊。ソウタが寝ぼけるほどに快適に眠れたと言うことが嬉しいし、ほんの少し経験値も積み重ねられたかな。風もあったりすると、全く変わるだろうから、次は違うコンディションで検証してみたいところ。

硫黄岳の途中まで〜厳冬期の赤岳鉱泉で子供と雪山テント泊登山(後編)

硫黄岳の途中まで〜厳冬期の赤岳鉱泉で子供と雪山テント泊登山(前編)

カフラシルで朝ご飯を軽めに済ませて、出発準備を整えて6時過ぎに硫黄岳にアタック開始。日が射してないから、手と足の指先が冷えるのなんの。とにかく血行を良くするために、グーパーを繰り返して歩く。ソウタにも伝えてるけど、なかなか意識してやるのは難しくて、歩いてると忘れちゃうみたい。

以前、黒百合ヒュッテでテント泊した時も、2日目に天狗岳アタックで、同じく手と足の指先が冷たい、動かないって言ってたっけ。今回もそうならなきゃ良いけど。自分自身でどこまで対応できるようになったのか見ものでもある。

天狗岳〜黒百合ヒュッテ 子供と雪山テント泊(後編)

天狗岳〜黒百合ヒュッテ 子供と雪山テント泊(前編)

数日前の降雪で、雪は想像より多い。でもトレースがしっかりとあるから問題なし。特に難しいところもないから、「末端の冷え」以外には、あまり心配はしてない。

前日入った野天風呂を登山道から見下ろす。ちゃんと板が被せてあって良かった。今日入る人も、暖かい温泉に浸かれるだろうね。出る時は蓋を忘れずに!

樹林帯を淡々と登ると尾根に乗り、視界が開けてきた。5年前に歩いた道も、全く覚えてないや。

ようやく日が射してきたので、冷えた身体を少しでも温めたい。

夏沢峠に到着。お日様が硫黄岳に隠れてちゃって、東斜面は日陰だらけ。寒い。この辺りから、ソウタの手と足先がちょっと冷え始めた。ここからは登りだから、身体は温まるだろうと予想してるけど…

西側の茅野方面。御嶽山乗鞍岳穂高連峰槍ヶ岳などの北アルプス南部ががずらーっと見える。今日も良い天気。やっぱり晴れた雪山が好き。

夏沢峠から5分ほど進むと、本格的な登りがスタート。風も少し吹き始めてる。

斜面を淡々と登る。問題なのは、足先の冷え。日陰に入ったあたりから、「足の指が冷たくて動かない」と言い出したソウタ。グーパーしながら温めてとアドバイスするけど、なかなか温まらないみたいで、珍しく弱気モードに。

振り返って、奥には東天狗岳と西天狗岳。

足の指が動かないと涙ながらに訴えるソウタ。珍しい。一年前の赤岳では、僕を置き去りにしてケータ君とスイスイ登頂したのにねぇ。コース自体は心配する場面はなかったから、あっさり登頂できると見込んでたけど。

子供と一緒に厳冬期の赤岳に挑戦!~赤岳天望荘で年越し雪山登山(後編)

子供と一緒に厳冬期の赤岳に挑戦!~赤岳天望荘で年越し雪山登山(前編)

何度も立ち止り、涙を流すソウタ。「帰るか?」と聞いても、首を縦に振らないソウタw。とりあえず、日の当たる場所まで登って、ブーツの上から指をマッサージする感じで押してあげた。グーパーしたりして、なんとか血行を良くして、指が動くようになって、少し回復。良かった。

でも、今度は手が冷たいと言う(笑)もう自分でなんとかしてーw、と言うことでグーパーしたり、ピッケルを交互に持ち替えたり、アレコレやって回復。なんだかとても忙しいw。

極め付けが、「お腹すいたー」って。あなた(笑)パンを持参してきて良かった。山頂目前で、まさかの食事タイムw。もっと、スムーズに登頂するつもりでいたんだけど、計画通り、うまくはいかないものだ。慌ただしくて、写真も少ないから、僕は余裕がなかったんだろうね。

今回のトラブル。原因は検討がついてる。

  • 早朝に登っていること(気温が低い。さらに日陰を歩く時間が少し長くて、末端が冷えた)
  • 靴の水分が凍結したことで、靴そのものが冷たくてなっている

テント泊からの早朝アタック。小さな子供には、手先足先の冷えが最大の敵なんじゃないかと思う。小屋泊なら、もしかしたら大丈夫だったのかもしれない。あと、mokaさんが言ってたけど、前日履いた靴は湿っぽくなるわけで、水分を含んだ素材が寝ている間に凍って、靴自体が冷えていると。確かに、ソウタの靴には保温材が入ってる。

対策としては、寝ている間にハクキンカイロを靴に入れておけば、乾燥できて、朝に靴を履くときも温かい状態を保てるのではないか。次、試してみようと思う。因みに、グローブは予備を持ってきていて、アタック用グローブをダウンジャケットのポケットに入れて寝かせたので、朝つけるときバッチリだったみたい。それでも冷えたのは、この時-15℃くらいで、やっぱり寒かったので、グローブを一枚じゃなくて、インナー付きのシステムに変更しようかと検討中。一応、保温材入りグローブなんだけど、インナーにフリースとか入れた方が暖かいかもしれないので。

凍りつく世界で、進むのか撤退するのか。対処できるのか、できないのか。これに強風とか視界不良が付加されると、さらに厳しいものになるので、いつも冷静に判断するように意識している。何かあればすぐ降りる気持ちで、無理はしないし、させない。

えらく時間がかかった登り。帰りはあっという間なんだろうなw。

3つのトラブル?を乗り越えて、ようやく万全の体制で進める。次は、ここまでのプロセスを、もっと短縮できるようになると良いね。

気が付けば、山頂はすぐそこだった。もう少しだ、頑張れー

苦労の末に、硫黄岳山頂へ

無事、厳冬期の硫黄岳に登頂〜!時間はかかったけど、頑張った。おめでとう!

僕ら2人とも初硫黄岳。無雪期も歩いたことがないので、正真正銘の初硫黄岳。今日、ついに硫黄岳童貞を卒業だw。

親子で。やっぱり親子で雪山に登頂するのは、達成感あるねー。あの時泣いてたなーとか、苦労話を思い返すのも楽しみの一つ。

一年前の厳冬期に登った赤岳。今でも鮮明に思い出せるほど、最高の思い出。また年越し山行したい。横岳は、まだ歩いたことがないので、今年こそは八ヶ岳南北縦走を計画しよう。

山頂はとても寒く、カメラやスマホの電源がバンバン落ちてた。-15℃くらいだったみたい。もしかして、山頂でここまで冷えたのは今回が初めてかな。到着する時間にもよるけど、大抵は-10℃くらいだから、いつもより寒かったんだと思う。大人でもグローブしてて指が冷たいもん。鼻水なんか、水のごとく垂れ落ちるしw。

ソウタも僕も、サコッシュは、冬季用の断熱材入りサコッシュ、Oasis Pocketを使用(mokaさんも試作タイプを使ってくれている)。すぐに飲めるようにペットボトルと、食べ物、そして、予備バッテリーを入れて行動。中に熱源(ハクキンカイロやホッカイロetc)を入れると完璧だけど、普通に使うだけでも、「冷えるのを遅らせる」道具なので、何かと冬季雪山登山では重宝する。

ザックのサイドポケットに入れるとペットボトルはすぐに凍結するからね。予備バッテリーやスマホはジャケットに入れて温めるのが効果的だと思うけど、バックアップとしてOasis Pocketにも入れてある。おかげさまなのか、2日間、電池落ちに困る事もなく。ただ、山頂の寒さは厳しくて、少し外に出したペットボトルが半凍結w。こういう時は、水じゃなくて、山専ボトルに入れた暖かいお湯良いかもしれない。

10分程で山頂を後にして、下山開始。降りるとなれば、ソウタは早いよ。アイゼンワークもしっかりしてるし、急斜面の下りもなんのその。

逞しく感じる、お気に入りの一枚。7年も一緒に歩いてる、立派な相棒。

ちょっと急な斜面もあるので慎重に。

気が付けば夏沢峠。ここで少しお菓子休憩。核心部は終わったし、のんびり下るだけ。ソリを忘れたことを後悔。かなり滑りやすい斜面が多くて、もったいないことをした。

撤収、さらば本沢温泉

下りはあっという間。山頂から1時間もかからず本沢温泉に帰還。無事、戻って来れて良かった。相変わらず、最高の天気なんで、撤収作業もなんだか気分が良い。ソウタは完全にリラックスモードで、ショベルとソリで遊んでる。

12時に本沢温泉を出発。背中の荷物は、期待したほど軽くなっていなくて、ちょっと凹む。駐車場まで2時間半、耐えるのだ。しらびそ小屋までの登り返しが地味に辛い。

1時間程でしらびそ小屋へ。お腹が空いたので、ちょっと遅めのランチ。カレーを2人でシェア。窓の外には、ひまわりの種が置いてあって、餌を求めて野鳥がたくさん飛んでくる。間近で見られるのがすごい。名物?のリスは、確認できず。ソウタに見せてあげたかったのに残念。

ここからはヒップソリの出番。しらびそ小屋からこまどり沢までは、結構な斜面があるので、ボブスレーっぽく滑れて楽しめる。こまどり沢から下は林道っぽい広い道で、かなりロングライドができる。あっという間に滑り降りていくソウタ。動画撮れば良かったな。この時が一番嬉しそうだった。

しらびそ小屋からあっという間に駐車場へ。お疲れ様でした。

子供の厳冬期硫黄岳、振り返り

三年前、赤岳鉱泉から硫黄岳を目指したけど途中で撤退。今回は本沢温泉からのリベンジ。厳冬期のテント泊も久しぶりすぎて、準備でバタバタ。慣らしを兼ねての山行ではあったけど、2日間天候に恵まれたおかげで、野天風呂もテント泊も硫黄岳の登頂も、全部達成できた。

末端の冷えという、雪山ならではのトラブルもあったけど、現場での対処法とか、道具対策を考えるきっかけになったので、良い経験になったと思う。一方で、比較的ぬるいコンディションだったのは間違いなくて、次はもう少しハードな環境下でテント泊をしてみたいのも本音だったりする。

最近はテント泊ができてなかったけど、やっぱり楽しい!そう思えた二日間。もうすぐ3月だけど、今シーズン、あと一回は雪の上でテント張れたら良いなぁ。ただ、もうすぐ自転車が届くので、今は山より自転車モード(笑)

子供と厳冬期テント泊~本沢温泉から硫黄岳へ(前編)