子供と一緒に厳冬期の赤岳に挑戦!~赤岳天望荘で年越し雪山登山(前編)

山遊び

2018.12.31~2019.1.1、目標だった雪の赤岳へ。山で年越しも初体験。

無念の撤退から一転

ヴァナゴンのAT不調で、年末年始は自宅待機の予定でいたけど、どうしても山納め&雪山始めに行きたくて。日程は12.30~31の2日間、行き先は、今シーズンの目標としていた雪の赤岳。ただ、いきなりテント泊はソウタもキツイだろうし、何より僕のモチベーションもそこまで高くないから小屋泊で。移動手段は、レンタカーは空きなし、電車はスタート時間が遅くなる…ということで、低速ゆっくり走行になるけどヴァナゴンで行こうと決意。がしかし!30日の夜明け前に出発して、双葉SA手前で、まさかのトラブルに見舞われ、無念の撤退。高速を降りて、下道で帰宅と相成りました(涙)

撤退ムード漂う中、奥様から、「明日明後日で行ってきたら?」というお言葉が!元旦の予定は1日ずらせるから良いよって。年越しになるけど大丈夫?と心配してみたけど、過去に奥様を残して、子供達連れて冬の北海道に行ってたか。すぐに、 翌日から赤岳に入る予定の忠太家に同行可能か?と連絡を入れたところ、快いお返事をいただきまして、しかも同乗させていただけるという神対応。もうほんと、感謝しかないです。そういう経緯で、雪山始め&山納めに、八ヶ岳を歩くことができたのでした。嬉しい。

2015〜2016 男3人北海道フェリー旅

滝野すずらん丘陵公園でスノーハイク(北海道)

赤岳天望荘で年越し&初日の出

今回の行程
Day1:美濃戸口~美濃戸山荘~南沢~行者小屋~文三郎尾根~赤岳山頂~赤岳天望荘(小屋泊)
Day2:赤岳天望荘~地蔵尾根~行者小屋~赤岳鉱泉~北沢~美濃戸山荘~美濃戸口

赤岳天望荘で年越し&初日の出を見る!という忠太家プランにのっかります。調べたら、赤岳天望荘の年越しは、かなり人気があるみたい。前日にも関わらず、予約が取れたのでラッキーだったと思う(実際は30名くらい定員オーバーしてたみたい笑)。ついに、「山で年越し」することに。間違いなく楽しいだろうし、癖になったらどうしよう。

美濃戸口から行者小屋へ

11月の鍋割山以来のケータくん。一緒に雪山を歩くのは一年振りだね。よろしくね。二人共、雪山用にasobitogearの断熱材入りサコッシュ「Oasis Pocket」を使用。

我が家は、この日が雪山始め。3月にソウタが左腕を骨折した影響で、10ヶ月前に歩いた西穂高岳独標が昨シーズン最後の雪山山行となったわけ。久しぶりのアイゼン歩行、寒さに慣れていない身体、運動不足と、不安要素ばかりなのに八ヶ岳、それも赤岳って。背伸びしすぎたかなw

厳冬期の西穂高岳独標へ(後編)~子供と雪山登山

厳冬期の西穂高岳独標へ(前編)~子供と雪山登山

-10℃。麓でこの気温。雪が少ないとは言え、やはり冬の八ヶ岳は寒い。

道の状況は、美濃戸口から美濃戸山荘までは雪なし一部凍結。南沢に入ると、写真のように雪が出てくるので、ここからチェーンスパイクを装着。前回の教訓を活かして、 今回はチェンスパを持参。前爪のあるアイゼンは、この状況では歩きにくいし、雪も少ないので、逆に疲労に繋がる。状況に合わせた道具の選択、大事だよね。2年前は、ここまで気が回らず…

硫黄岳の途中まで〜厳冬期の赤岳鉱泉で子供と雪山テント泊登山(後編)

硫黄岳の途中まで〜厳冬期の赤岳鉱泉で子供と雪山テント泊登山(前編)

この辺りから僕は前の3人に離され始めた。恥ずかしいけど、緩やかな南沢ルートで、腿が攣った(泣)雪山ではよく攣る方だけど、まさかここでとは。トホホだよ。文三郎尾根、登れんのか?と自分自身に問う。ソウタの心配より自分の心配をすべきだったw

南沢ルートって、地味に長い。 行者小屋で一息つこう。

文三郎尾根から赤岳を目指す

早めのランチでエネルギー補給完了。ここから装備も切り替え。前爪アイゼン、ピッケル、ヘルメット、バラクラバ、念のためにハーネス。天候は申し分なし。ヤマテン予報では、今日と元旦が好天予報。トラブルあって1日ズレたのが、結果的には良かったってことだね。

行者小屋でしっかりエネルギー補給したのに、太腿は回復せず。少し歩いては攣る状態。塩熱サプリやら色々口に入れながら、無理せず登ることに。まだ文三郎尾根の序盤だし、後半に脚を残すためにも、自分のペースに徹することに。親が赤岳天望荘まで辿り着けないのは洒落にならないw

ソウタはケータ君に、しっかり付いていってる。傾斜はキツイけど、難しいコースじゃないので、さほど心配はしていない。雪が少ない影響で、階段や岩が出てるので、アイゼン引っ掛けないように。

振り返って行者小屋。立ち止まる回数が増えてきたw。無雪期に歩いた時は、割とあっさり登頂した記憶があるけど、今日は違う。文三郎尾根が長く感じる。

憧れの赤岳へ〜子供と日帰り登山

見上げれば八ヶ岳ブルー。こんな日に赤岳に登れるって、なんて贅沢なんだろう。頑張らなきゃ。

上へ上へ。登る登る。時折訪れる軽い渋滞が、大事な休憩タイム。ありがたや。ソウタも、久しぶりの雪山で、少しペースが落ちてきたかな。

休憩できるポイントまで登ってきて、記念の一枚。格好良い写真だなぁ。ケータ君のガイド感(笑)実際、それくらい頼もしいんだよね。ソウタの事、気遣ってくれてありがとう。

腿は相変わらずパンパンで、ペースは上がらず。正直、ソウタの事を気に掛ける余裕もなくて、単独で登ってるような不思議な感覚。ケータ君がしっかり者で面倒見が良すぎて、それに甘えてしまったダメ親父だ。そんな日もある。と思いたいけど…情けない。

分岐までもう少し。キツイ…。子供の事を気に掛ける余裕がない自分に対して悔しさが込みあげてきた。挑戦だなんだと意気込んで来たものの、何もやれてない自分に。そんな気持ちとは裏腹に、ソウタは淡々とケータ君に付いて進んでいく。

自分のあまりのふがいなさに、なんだか涙が込みあげてきちゃった。自分の役割を果たせてないような気がして、悔しかった。いや、ソウタの成長を喜ぶべきか。

分岐で一休み。阿弥陀岳が凛々しい。今日は雪山日和だ。

目標だった雪の赤岳。山頂までもう少しだ。

この先からは岩場も出てくる核心部。気を引き締めて。

積雪期の赤岳に登るにあたり、心配なポイントがいくつかあって、一つ目がここ。この日は雪が少ない影響で、構えてたほど難しくはなかったけど、積雪量が増えると、靴片足分になるとか。この日は余裕で両足分あったし、鎖も掴めるので、ソウタも問題なく通過。大人ならそこまで気になる場所ではないと思うけど、子連れだと気になる箇所は増える。

振り返ってみるとこんな場所。岩に添ってトレースがあって、鎖もあるし、岩も掴めるから、集中してゆっくり歩けばってことだよね。

実は、赤岳に挑戦すると決めてから、数日ほど胃が痛かった。まだ小学三年生だし、連れて行って良いのか…、挑戦はしたいけど、無謀な挑戦はできない。その境目が難しい。そんな葛藤もあって、胃がキリキリと痛かったんだろうね。実際歩いてみると、考えすぎだったとは思うけど、想像の世界では、やっぱり不安が勝っちゃう。

ここから一気に岩場ゾーンへ。岩と雪のMIXなので、アイゼンを引っ掛けないように慎重に。この辺りから、僕もようやく集中力を取り戻し、ソウタの後ろにピタリと。最後くらいはなんとか父親らしく…。こういう、難しくなる局面は、集中力も上がるし、気持ちが張り詰めるというか、簡単に言えば、ワクワクして楽しいんだよね。

無心に登ってきたら、最後の岩場に。あの先が、赤岳の山頂だ…

厳冬期の赤岳山頂へ

厳冬期の赤岳に登頂!ソウタ、おめでとう!ケータ君、ありがとう!

以前、忠太さんとケータ君が厳冬期の赤岳に挑戦している姿を見て、我が家も刺激を受け、いつかソウタと登りたい。そう願っていた事が、こんなに早く実現するなんて。改めて、一緒に歩いてくれたお二人に感謝。いぇい!

これもソウタの頑張りあってこそ。すれ違う登山者に三年生だと伝えると、みんな驚いてたもんね。天気が良くて、雪も少ない状況だけど、だからと言って決して簡単ではないし、毎年地道にステップアップしてきた成果だと思う。本当に素晴らしい!

長くなったので、後編へ続きます。

子供と一緒に厳冬期の赤岳に挑戦!~赤岳天望荘で年越し雪山登山(後編)