念願の穂高へ!前穂高岳から奥穂高岳&涸沢岳~子供とテント泊登山(奥穂高岳編)

前穂高岳

2018.8.4~8.5、ソウタと北アルプスの穂高連峰を歩いてきました。前穂高岳の続き。(涸沢岳編

吊尾根から奥穂高岳へ

前穂高岳から降りてきて、紀美子平でランチタイム。おにぎりやカップ麺など、しっかり食べてエネルギー補給。体調・体力面で、この先の吊尾根経由の奥穂高岳も問題なさそうだ。何より時間的余裕があるのが嬉しい。このまま同じペースで進めれば、小屋には14時前に到着できるはず。仮に何かあって、ペースを落としたとしても、15時~16時には着けるだろうという安心感。

念願の穂高へ!前穂高岳から奥穂高岳&涸沢岳~子供とテント泊登山(前穂高岳編)

11:45、紀美子平から吊尾根を歩いて「オクホ」に向かう。

紀美子平から割とすぐにある岩場が、ちょっとだけ難しいというか、気を付けて通過する必要があったくらいで、あとは歩き慣れたトラバースの道。遠くから(上高地から)見るよりも、足場はしっかりあるし、確かに狭い箇所もあるけど、それほど気にすることなく歩ける。事前に仕入れていた情報通り、割と普通というか、まさにそんな道だった。もちろん、気は抜けないし、ここは穂高。甘い考えで歩いてはいけない。

少し雲が出てきたけど、天気は落ち着いている。汗だくになるほどではない、ちょうど良い塩梅の気温のおかげか、無駄に体力を奪われることもない。目の前に拡がる絶景を見ながら進んでいく。

と、ここでちょっとしたアクシデント発生。

ソウタから頭が少し痛いという申告。吐き気はなくて、行動食のグミやお菓子なんかも食べられるくらい食欲はあるので、軽めの高山病だろうか。眠気が少しあるみたい。これだけ明確に言ってきたのは、もしかしたら富士山北岳以来かもしれない。

写真は辛そうな顔してるけど、これはたまたまそのタイミングの写真でw、実際は横になって、会話しながら休憩中。これ以上悪化させないためにも、水分を多く摂取して、深呼吸を深めに(吐く方を長く)。会話も増やして行くことに。

休憩する回数も増やしながら、様子を見て慎重に進む。右手には涸沢が見えた。まだ歩いたことがないので、明日の下山が楽しみ。ザイテングラードの下りは、ちょっとばかり不安だったりする。

水分は岳沢小屋から穂高岳山荘間で、3.5ℓ+ポカリ500mlの計4ℓ持参。食事もしっかり取れてるし、ついさっきまで、紀美子平で30分くらいゆっくりしてたんだよねw。しかも、前穂高岳で3000mを一度超えてる。だからこそ、いきなりの頭痛に僕の方が戸惑った。でも、きちんと報告してくれるソウタは山をわかっている。我慢して手遅れになるより、少しでも異変を感じた時に、早めに言ってもらえた方が対処しやすいからね。

振り返ると、真ん中に先程登った前穂高岳。紀美子平も見える。現在地は、吊尾根の2/3くらいのところ。もう少し先に行けば、南陵の頭手前の鎖。ペースダウンしたけど、ここまではかなり良いペースで進んでこれた。

岳沢小屋から重太郎新道~吊尾根経由で奥穂高岳に向かう場合、その間には有人小屋もないし、CTで6時間くらいあるので、この区間で何かあった時のことを考えて躊躇する大人の方もいるみたい。戻ることもできるけど、重太郎新道を下りで利用したくはないなぁ。現在地からなら、穂高岳山荘の方が、時間的にも距離的にも近いから、標高を上げてしまうことになるけど進むことを前提に行動。仮に体調悪化の場合は、穂高岳山荘から涸沢まで一気に降りる覚悟もある。行けるのか、戻るのか、という判断は個々の基準になると思うけど、今回の状況は、「前へ」という結論。

進む為にも、焦らないこと。時間の余裕はたくさんあるし(限りはあるけどw)。眠いと言われたら、こうして思いきり休ませる。丁度、登山道の脇にスペースがあって、そこを活用。後ろから来る登山者に、頑張れ~と声をかけてもらう。この光景、まさに北岳の小太郎尾根手前で味わったヤツだ。あの時も、20分くらい思いきり寝かせたらぐっすり。起きてから、大福食べて、北岳肩の小屋まで行って、小屋で休憩してたらメンタルもリフレッシュされて、結局そのまま北岳~北岳山荘へと進むことができたんだよね。

日本第2位の北岳と第3位の間ノ岳へ挑む〜子供とテント泊登山(前編)

眠気は、もちろん高山病によるものだと思うけど、睡眠時間6時間程度で、かつ4時起きなので、単に眠くなったのもあると思う。高山病の場合、すぐに寝かせるのは良くないことだと理解しているけど、疲れもあるだろうから、僕は思いきり休ませる。5年以上一緒に歩いている中での経験的な部分もあるから、こういう場面での判断は各自の基準でお願いします。

結果的には、横になっての休憩は正解だったのかな。10~20分くらいだったと思うけど、ゆっくり横になって休んだおかげなのか、岩登り&鎖も問題なく。時間に追われている状況だったら、やっぱり焦りって出てくると思うし、そうなると冷静な判断ができなくなる。前半の貯金が役に立った。それはもちろん、ソウタの脚力によるもの。このルートを歩くのは、CTより早く歩けるくらいの体力・スピードがあった方が、断然メリットだと思う。

13:25、南陵の頭に到着。すぐ先に奥穂高岳が見える。もうここまで来てたんだね。ソウタに、進んだ方が安全だと改めて説明して、もう少し頑張れ!と声をかけた。オクホに登りさえすれば、その先は標高も下げられるからね。

ビクトリーロード。よくぞ復活した。強いなぁ、ソウタは。

うっすらと、ジャンダルムの姿。この形のジャンダルムが見たかったんだよね。

13:38、日本百名山 奥穂高岳(3190m)に登頂~!ソウタ、よく持ち直したね。おめでとう!ここは日本で3番目に高い山。3年前に登った間ノ岳と同標高。

結果的には、紀美子平を出発してから113分とほぼコースタイム通り。かなり休憩した割には時間的ロスが少なかった。計画よりは押してるけど、14時過ぎに小屋に着けるなら、問題ないでしょう。

日本第2位の北岳と第3位の間ノ岳へ挑む〜子供とテント泊登山(後編)

毎年、夏には少しハードルを上げた山に登ることにしてるけど、重太郎新道&前穂高岳、そして吊尾根から奥穂高岳。歩きごたえがあった。ソウタは、体力的に、このルートでも普通に歩けるんだよね。しかもCT0.7程で。怪しいのは、むしろ父親の方(笑)でも、今回は僕も絶好調でしたw

南アルプスの中心、塩見岳に挑戦〜子供とテント泊登山(後編)

南アルプスの中心、塩見岳に挑戦〜子供とテント泊登山(前編)

子供と歩いた42kmのロングハイク!三俣蓮華岳・双六岳〜子供とテント泊登山(後編)

子供と歩いた42kmのロングハイク!三俣蓮華岳・双六岳〜子供とテント泊登山(前編)

ソウタにジャンダルムという名前を教える。丁度、山頂に人影もあって、あの山、登れるんだよーとだけ説明しておいた。

歩いてみる?という問いかけには、さすがに答えは返ってこなかった(笑)目に入る情報だけでも、誰もがヤバイ…って思うよね。何あの垂直な壁みたいなのww。いつか二人で歩く日が来るのかなぁ。

穂高岳山荘へ。そして遭遇!

山頂でジャンダルム含めた日本最難関ルートを間近で眺めた後は、山荘に向けて下山開始。そういえば、雷鳥に会えなかったねぇ、なんて2人でションボリしながら、歩いていたら・・・下り始めたすぐそこに!!

キターーーーーー!雷鳥様ではないですか。しかも、過去最接近を果たすというオマケ付き。これにはソウタのテンションもMAXに。頭痛?なにそれ?的な感じで、一気に笑顔になってた。

雛も可愛い。すくすく成長して欲しいね。目の前に出てきてくれて、ありがとう!感謝感謝。

雷鳥に遭遇してご機嫌なソウタ。足取りも軽くて、スイスイ~っと下って行く。後ろを歩いていたジャンダルム方面から戻ってきた登山者の方が、「速いね~、追いつけなかったよ。バランスが良いね」と、ソウタの歩きを褒めてくださいました。下りは、ホントに速くて、足運びとか、上手なんですよ。

ソウタの様子を見る限り、今晩お世話になることはないな。涸沢は明日の下山で。

穂高岳山荘が見えた!ここから先の下りは、なかなかの難しさ。いや、怖さの方があった。結構な斜度を下っていくのと、いやらしい感じの岩&鎖。最後の梯子も気が抜けない。余裕なくて写真は撮れなかったけど、小屋だ~着いた~、なんて気を抜いてると事故る場所w

14:19、下りも無事にクリアして、穂高岳山荘に下山。設営を後回しに、まずは二人で乾杯!

穂高岳山荘でテント泊

前穂高岳、奥穂高岳と2つの目標を無事クリアできたわけだけど、もう1つの心配事。それはテン場の確保。さすがに混雑してるのは理解していたので、もう張れるならどこでも…という感じ。その為に、少し重くなるけど、自立のステラリッジを持ってきた。下山途中に上から見た時は、かなりの数が張ってあったので、厳しいかも…という気持ちでいたけど、なんとか張るスペースを確保できた。

目の前が石段で出入口になるけど、もう贅沢は言えないので。この時点ではヘリポートに張ってる人はいなかったけど、最終的にはヘリポート含め、全部埋め尽くされました。張っちゃいけないと説明受けたけど、この辺のルールがいまいちわからない。ちなみに、僕らのテントの横に、まだスペースがあるけど、ここもソロ幕がしっかりと収まりました。ぎゅうぎゅう詰めのテン場も悪くないねw

穂高岳山荘で働く@midorisanada さんにもお会いできた。ソウタを見て、あぁ!ってなって、気付いていただけました。テン場で軽くお話して、ソウタにお菓子まで頂いちゃって…。お気遣いありがとうございます!

頭痛もほとんど消え去ったみたい。少しだけズキズキすると言っていたので、念のため、いきなり寝かせず、音楽を聴きながらリラックスタイム。最悪、涸沢まで降りるつもりでいたから、ここで滞在できて嬉しいよw。絶景のテン場ライフを楽しもう。

奥穂高岳、右にはジャンダルム。上高地から見上げていた、あの穂高のテッペン近くに僕らはいるんだ。最高だなー。

炊飯に失敗w

夕飯は定番カレーライス。白米を炊いたんだけど、大失敗。標高が高いせいもあるけど、最近は上手に炊けないなー。平地キャンプだと問題ないんだけどね。べちょべちょご飯にカレーをかけて、流し込んだw。ソウタは他に色々食べてたので(お菓子等)、あまり食べず。お腹一杯とのこと。

夕暮れは、ガスもかかってたけど、幻想的で綺麗だった。心が洗われる。

小屋泊も大盛況。この日は布団1枚を2人だった様子。ソウタとならそれもありかもね。

ビールもワインも飲んで、早めの19時就寝。今夜は星空も綺麗に見えそうだけど、今まで起きたことがないから、今回もテントから出ない気がするw。明日は、早朝に涸沢岳ピストンして、早めに涸沢経由で上高地へ下山予定。徳沢園でソフト、明神で岩魚の塩焼き食べるから早めに降りたいところ。

涸沢岳編に続く。

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