2016.9.10〜9.11、ソウタと二人で北アルプスの白馬三山〜秘湯・白馬鑓温泉を歩いてきた。前編の続きです。
白馬三山を制覇せよ
4時起床。テントから外を見ると月が見える。雨も降ってない。予報通り、天気は持ちそうだ。
昨晩は18時前にシュラフに潜り込んだけど、数時間後に目が覚めてしまった。あまりに早く寝すぎたのかな(笑)そこから寝たり起きたりを繰り返し、結局、いつも寝ている時間になったところで爆睡…。やっぱり早かったみたいw
朝の気温は2度。想定気温であり、それに合わせた装備できているので問題なし。シュラフは我が家の定番、キュムラスX-LITE 200 ZIP。シュラフカバーなしでも寒さを感じることはなく朝までぐっすり。ダウンシュラフもダウンパンツも出番はなかった。僕は持ってきてないけどw
5:05、頂上宿舎テント場を出発。ヘッデンを付けて歩き出す。この日、白馬三山を経由して猿倉まで降りる間、あまり登山者に会うことはなかった。おかげで静かで快適なハイクを堪能できた。
朝ごはんに食べたホットシリアル。これが良い感じだったので、別途レポします。レポはこちら
ご来光間近。雲海が見事だ
今日のルートをソウタに説明。左の杓子岳に登って、次に隣の白馬鑓ヶ岳に登って、山の向こうにある白馬鑓温泉まで降りて下山するだけ。とはいえ、それなりの距離はある。今日も頑張って歩こうね。ソウタは温泉と聞いて、ちょっと嬉しそうだった。ガスは出てない。下山まで持ってくれ〜
杓子岳を眺めていて気になったのが、山頂直下のあの斜面。ザレた感じで、斜度もありそう。。何より、滑りそう。少しばかり不安を感じた。
もうすぐ太陽が出てくる。ソウタと二人、立ち止まってしばし眺める。こういう景色を見るのも、オーバーナイトハイクの楽しみの1つ。心が洗われる….
杓子岳への取り付き。天気も問題ないので山頂へ向かう。
予想していた通り、小さな石のガレた道で、歩きにくいし、滑る滑る。そして結構な急斜面。
う〜ん、巻いてもよかったかなぁというのが率直な感想。
途中で降りようかなと思ったけど、山頂まであと少しだから頑張ろう。
6:06、白馬三山の1つ、杓子岳(2812m)に到着。ほぼコースタイムで歩いてこれた。朝から良いペースだねぇ。
山頂手前からタイミング良く青空になった。右に昨日登った白馬岳。左は旭岳。さらに奥には日本海も見えた。
杓子岳は、長野県側斜面がかなりの断崖絶壁で腰がすくむほどの怖さだった。ソウタが転んだり不注意で落ちたりしないかとヒヤヒヤ(^^;;。あまり長居したくなかったので、写真だけ撮ってすぐに退散w。崩壊も進んでいるみたいで、数十年後、この山頂は存在しているのだろうか….
山頂から続く道も・・・痺れるくらい怖いんですけどw。左側に落ちたら命はないので、できるだけ右側に寄って歩く。ソウタが躓いたりしないかと、これまたヒヤヒヤ。心臓に悪い場所だったな。前方にはこれから歩く白馬三山最後の山、白馬鑓ヶ岳。
雲海が見事。こういう景色も当たり前のように眺めているけど、冷静に考えると凄いことだよね。ここまで歩いて登らなきゃ見れないわけだし。山はいつも素敵な景色を見せてくれる。
mokaさんたちが山頂に。落ちないでね〜。ダチョウ倶楽部の押すなよ、押すなよ、は杓子岳では本当に押しちゃダメよ(笑)
巻道に合流し、一旦鞍部へ下ります。白馬鑓ヶ岳は、どっしりとした山体。右手前に小鑓、その奥が山頂。
二日目はasobitogearのロングパンツ(試作品→YAMA-Pants)を履いてもらって、フィールドテスト。気温がぐっと下がると、さすがにショートパンツでは寒いから、持ってきて良かった。100g程なので、予備の着替えとしてザックに入れても気にならないレベル。ただ、見た感じは良さげなんだけど、ちょっと細すぎてタイトな印象。マチをつけて、もう少し太めにしようかな。でも太すぎると格好悪くなるし。うーん、試行錯誤は続く。
歩いてきた道を振り返る。先程まで歩いていた杓子岳。奥には白馬岳。薄曇りだけど、雨が降らないだけラッキーかな。あと、風がなかったのも良かった。ヤマテンの予報は確度が高くて、本当に助かってる。
←鑓頂上。不帰嶮(かえらずのけん)は、今の僕らには歩けない。いつの日か…
この景色!!やばい、最高すぎる。屋根の黒い天狗山荘が見えて、その先には不帰瞼(かえらずのけん)、唐松岳、五竜岳、そして鹿島槍ヶ岳へと続いている。後立山連峰が丸見えだね。遠くには槍ヶ岳も見える。青空じゃないけれど、良いもの見せてもらったよ。大満足。
7:27、白馬三山最後の山、白馬鑓ヶ岳(2903m)に到着!白馬三山コンプリート!おめでとう〜。無事に目標達成できて良かった。それなりに体力が必要なこのルート。本当に素晴らしい。親として誇らしい瞬間。
やったね!
三角点にもタッチ!
白馬鑓ヶ岳から白馬岳方面の眺め。写真右奥の稜線を下から登ってきたんだよね。こうやってみると遠いけど、歩けるものだね。
剱岳と立山。こちらもいずれお邪魔したい場所。もう少し体が大きくなって、さらに体力がついたら、挑戦したいな。他にも8月に歩いた裏銀座方面も含め、北アルプスの全てがここから見えた。白馬鑓ヶ岳、イイネ!
チームmokaの皆さん。一緒に歩いてるわけじゃないけど、やっぱり山仲間が同じルートを歩いているというのは安心できるというか、二人だけで歩くよりリラックスできたのは間違いないです。感謝
とてもとても名残惜しいけど、この稜線歩きともお別れ。楽しみにしている白馬鑓温泉へ向かいます。わくわくするなー
雲の切れ間から白馬の街並みが見えた。下界は雲が多い。これだと、温泉も雲の中かな。うーん。
唐松岳方面(不帰キレット)への分岐。天狗山荘のテン場が良いらしいので、いつか必ずここに戻ってこよう。数年後には歩いてる予感。
稜線も見納め。また来るよ〜。名残惜しい。
ソウタが見つけて興奮していたガンコウランの実。初めて見た。図鑑でしか見たことないのに、名前が一発で出てくるって凄いんだけどw
お気に入りの一枚。ちょっと背も伸びて、大きくなったなぁ〜と。今回のハイクが、また大きな自信になったと思う。小1でこのルートを1泊で。立派だよ。
8:32、大出原を通過。鑓温泉まで、あと半分くらいかな。かなり良いペースで降りている。
天狗尾根。真ん中が天狗の頭だろうか。荒々しい風景が印象的だった。
難所の鎖場
さぁ、鑓温泉の上部にある鎖場に到着。ここは滑りやすい岩質のため危険個所あり。滑落事故も多いようです。事前に動画やブログでチェック。なんともない岩だと思い、ストック片手に普通に通過して、滑って滑落するというパターンが多いみたいですね。なので、ストックは仕舞い、三点支持や、滑る岩場はできるだけ鎖を握るのがポイントみたい。
実際、難しいという印象はない。事前情報がなければ、きっと普通に通過していたと思うくらい。ただ、本当に滑りやすく、随所にグリップが効かない箇所もあったので、慎重に通過するのがベスト。我が家は子連れということで、ここに限らず鎖場やハシゴは安全第一・慎重に歩いているので、ここも同じ心構えで時間をかけて通過。
鎖場の途中にチョウジギク。これも初めて見たようです。
怪我なく無事に鎖場を通過。ホッとしたところで、白馬鑓温泉小屋が見えてきた。ただ、ここから小屋までの区間も滑落注意の看板が出ているので最後まで気を抜かず。
秘湯、白馬鑓温泉
9:40、白馬鑓温泉(はくばやりおんせん)に到着。さっそく温泉に入るため受付。日帰り入浴大人@500円。子供は無料。嬉しいね。
溢れ出る温泉。ものすごい湯量だ….
ソウタ、初めての混浴へ(笑)混浴が何かわかってないと思うけどw。ワイルドな露天風呂を見て、喜んでた。
キターーーー!これは最高。マジで来てよかった。
しばらくすると水着を着た女性が入ってきて、あたふたする男性陣(笑)水着とはいえ、女性がいると気をつかうもの。自然と温泉の隅っこに陣取っていた僕らw
登山道から丸見えだけど、どういうわけかあまり気にならなかった(笑)記念撮影したり、mokaさんチームと一緒に最高に気持ち良い露天風呂を堪能したのだ。マジ最高。
外から見るとこんな感じ。常に誰かの裸が視界に入り、入浴してる側は誰かの視線を感じる(笑)そんなステキなお風呂w
30分ほどお風呂を堪能し、風呂上がりはジュースで乾杯!ぷは〜っ、生き返った。カップ麺@400円(お湯付き)を食べて、最後の下山に備える。
10:46、鑓温泉を出発。いつの日かまた来るよ、鑓温泉。下山口の猿倉まで、ここからコースタイムで3時間40分。下りには自信があるから、1時間巻きの2時間半くらいで降りれたら良いな。一応、これを目標に設定。
ソウタに「あとは下るだけだから、いつも通り早く行こうか」と言ったら、「そうだね、でも花次第だよ」って返された(笑)いや、確かに花次第なんだけどさw
さすがに珍しい花も少なくなってきたし、適度に撮影をしながら進むw。クロージングモードに入ったソウタも黙々と進む。下山はいつも、歩きながら水を飲むくらいで、立ち止まっての休憩は1〜2回程度。ほぼ休まず歩き続ける。花次第だけどw
翌日知ったんだけど、とあるインスタを見たら、僕らが歩いた次の日、鑓温泉〜猿倉の間で登山道を熊さんが横切ったみたい(怖)熊鈴を鳴らして歩いてたけど、こんなところでバッタリ会いたくはないよ。怖いねぇ。てか、鈴って意味あるのかな。くまもん、助けて〜w
下山途中、山の斜面に鑓温泉小屋が見えた。ものすごい場所にあるよね…さすが秘湯。
案外、撮影してない花もあってみたいで、気付かずに通り過ぎたら「パパ、これ写真撮って」と言われて、登り返すこともしばしば(笑)さ、さーせんw
鑓温泉登山口に到着。いや〜、長かった。下りでもこれだけ長いと感じるんだから、これを登るのって…。案内にも鑓温泉まで4〜5時間とある。それくらいかかるよね
大雪渓通行止めの影響なのか、人も少なくてストレスフリーの快適な山歩きができた。通行止めじゃなかったら…栂池からの白馬三山縦走、そして鑓温泉に寄ることはなかったかもしれない。
13:28、猿倉荘に到着。ゴーーーーーール!目標通りの2時間40分で下山できた。もう立派な健脚じゃないか。頑張って歩いたね。おめでとう!
下山時にアルピコのHPをチェックして、13:50発に間に合わせようと駆け足で降りてきたんだけど、実は13:50発は夏季限定だったという勘違い(涙)急いだのに〜w
僕らの後ろには2人組の女性と、その後にmokaさんチームが3人。どちらかの下山を待ってタクシーに相乗りしようとしたら、先に降りてきた2人組の方はマイカーだったみたいで、それを見かねたタクシーの運転手が、「バス代でいいから乗ってよ」という神発言。「ええ?い、いいんですか?」とか言いながら、トランクにザックを入れている僕(笑)第一交通さん、ありがとうございましたm(_ _)m
※下山者が少ない等、状況によってはバス代で乗せてくれる場合もあるみたいですね。もちろん運転手さん次第ですけど。
八方バスターミナルに戻り、下山後の一杯。コーラじゃなくて牛乳をセレクト。
牛乳ってミネラル成分が豊富みたい。一年前、疲労も重なって、体の筋肉が収縮というか軽い痙攣を起こしたことがあって(^^;;。きっとカリウムやナトリウム(塩分)が不足していたのかな。それもあって、最近は下山後の体ケアに気を使うことにしている。温泉に入るのはもちろん、牛乳飲んだり、バナナ食べたりしてできるだけ早く疲労回復に努める。もうすぐ40だし、疲れ切った体での長距離運転って、やっぱり辛いのよ。
八方の駐車場が白馬国際トレイルラン大会のゴールなっていた。いつか参加してみたいけど、走るのが大好きってわけじゃないから、どうなんだろう(笑)とりあえず、子供と一緒に参加できるライトなものから初めてみようかな。
下山後の温泉は五竜の近くにある十郎の湯へ。自撮りで偶然の3ショットが面白かったので載せてみる(笑)森しんじ?しんいちじゃなくて?w
白馬三山縦走&白馬鑓温泉の山旅も無事終了。
当初予定していた大雪渓ルートではないけど、栂池から入り、白馬三山経由、そして白馬鑓温泉、猿倉までと充実の周回コースを歩けたのは結果的には◎だったかな。歩きごたえのあるコースで、白馬大池や稜線の風景も素晴らしく、何より秘湯白馬鑓温泉に立ち寄れたというのが一番嬉しかったかも。大雪渓は次回のお楽しみにとっておこう。
総括
累積標高:登りD+1935m/下りD-2526m
標高差:1694m
Day1:山行6時間17分/休憩1時間6分/合計7時間23分(CT7時間15分)
Day2:山行6時間51分/休憩1時間36分/合計8時間27分(CT8時間56分)
1日目はコースタイム(CT)を1時間短縮、2日目は下りが多かったこともあり2時間の短縮。数値で見る限り、最近のソウタは大人と変わらないくらいのペースで歩けているみたい。CTはあくまで目安だけど、数値面で成長を感じられるのはやっぱり嬉しい。一緒に歩いていて、体力・走力がついてきたなというのが率直な感想。右肩下がりな親と右肩上がりな子供(笑)。遠くない未来に、ソウタについていくのが厳しくなる時がやってくるだろうなw。親の体力維持も必要だな〜って思ったので帰宅ランでもしようかな(笑)
毎回思うのは、子供と山を歩くのは親の達成感もすごくあって、何より楽しい。今回もとっても充実した最高の山歩きになりました!
※白馬岳の山バッジを買い忘れ。トホホだよw。どなたか行かれる方いましたら、買ってきてほしいっす…
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