子供と歩いた42kmのロングハイク!三俣蓮華岳・双六岳〜子供とテント泊登山(後編)

三俣蓮華岳

2016.8.6〜8.7、北アルプスの奥地をソウタと歩いてきました。42kmのロングハイク。前編の続きです。

鷲羽岳は憧れに

いつの間にか眠ってしまったけど、明日の予定が気になり起きてしまった。一応、鷲羽岳のアタックを視野に入れ、目覚ましを2時にセット。でもね…隣で眠るソウタを見ていると、今日これだけ歩いているのに、2時に起こして真っ暗闇の中を登るってどうなの?なんて思うわけw。もちろん、当初からその計画で来ているんだけど、実際に歩いてみて、本人の疲れ具合を目の当たりにすると、やっぱり躊躇しちゃう。登れるだろうという気持ちも強いけど、時間に余裕がないから、何かアクシデントがあったら帰れなくなるという気持ちもあるし。

百名山の山バッジを集めているソウタには申し訳ないけど….鷲羽岳は諦めることにした。悔しいという感情はなくて、清々しい諦め(笑)。今のところ、1泊だとこれが限界だw

と同時に、何だかホッとする自分もいたり。ここまで歩けたことが既にチャレンジ成功に違いないし、ソウタは十分すぎるくらい頑張って歩いてくれた。ここをゴールとして、明日は無理なく、三俣蓮華岳と双六岳を経由して下山することに決定。数年後、ソウタにもっと体力がついたら再チャレンジ。それまでは憧れの山にしておこう。

子供と歩いた42kmのロングハイク!三俣蓮華岳・双六岳〜子供とテント泊登山(前編)

4時起床。前夜は暑かったのに、朝には寒さすら感じた。去年の北岳山荘でもそうだったけど、シュラフ要らないかな〜?って思うんだけど、全くそんなことはなくて、ないと無理w

日本第2位の北岳と第3位の間ノ岳へ挑む〜子供とテント泊登山(後編)

だって2度だもん(笑)北アルプスは夏真っ盛りの8月でも朝は冷え込むんだね。防寒対策はしっかりと。キュムラスのX-LITE 200 ZIPで何ら問題なく、爆睡できた。このシュラフ、もう手放せない

ポーランドの老舗シュラフメーカー、キュムラス Cumulus X-LITE 200 ZIP

準備を整え、憧れの鷲羽岳を背にソウタと記念写真。左手奥には水晶岳(黒岳)も見える。夜露でビショ濡れのテントをザックに放り込むと、背中に冷たい感触が…(笑)ま、歩いてれば乾くから良いかw。

そういえば、三俣山荘のお水。とっても甘くて美味しかったです。

三俣蓮華岳へ

朝から元気なソウタ。結果論だけど、下山時の疲労度合いを鑑みると、たぶんだけど鷲羽岳には登れたと思うんだ。あくまで結果論だけどね。それくらいこの日は調子が良かった。

三俣蓮華岳に登る途中でご来光。今日も最高の山日和になる予感。いや、間違いないね。陽が昇ると山が動き出す感じがする。

しばらく進むと三俣蓮華岳の山頂が見えてくる。今日の1座目。まずはあの頂きを目指して進もう。

と、ここで朝ごはんを食べながら小休止。寝起きに無理して食べるより、行動開始してからお腹が空いた頃に食べるのが最近のスタイル。

とっても気持ちよい朝。山頂から眺める雄大な景色も好きだけど、こういう何気ない朝の光景も好き。久しぶりのオーバーナイトハイク、やっぱりイイネ!

朝から言葉を失ってしまうくらいの景色が目に飛び込んでくる。月並みな言葉しか出てこないけど・・・最高なんだな!そして、この壮大な景色を子供と共有できる幸せ。去年の北岳間ノ岳に続き、今年の夏山も大当たり。

日本第2位の北岳と第3位の間ノ岳へ挑む〜子供とテント泊登山(後編)

日本第2位の北岳と第3位の間ノ岳へ挑む〜子供とテント泊登山(前編)

三俣峠の分岐に到着。昨日苦しめられた登り坂も、今日は問題なさそうだ。

さぁ、てっぺんを目指して登ろう。

槍ヶ岳を背に、山頂手前の坂を登っていく。

山頂直下はちょっとした急な岩場。ここを登れば山頂はすぐそこ。

6:05、三百名山 三俣蓮華岳(2841m)に登頂〜!コロンビアでもらった山の日記念手ぬぐい「てっぺんまで来ました!」を持って撮影(笑)鷲羽岳は残念だったけど、三俣蓮華岳も良いお山でした。どこもかしこも絶景だらけ。

昨日は1つもピークを踏んでいない。山頂に立つって、やっぱり嬉しいもの。槍ヶ岳をバックに、親子で撮っていただきました。ありがとうございますm(_ _)m。そうそう、三俣蓮華岳って富山・長野・岐阜の県境なんだよね。3県を股にかける親子。いえ〜い!

三角点も忘れずにタッチ!

山頂から名だたる名峰がずらりと見える。奥に薬師岳。手前には秘境雲ノ平。お花がたくさん咲いているとこだよって言ったら、ソウタの目が輝いた。行きたい行きたい!となったので、次来るときはあそこまで行こうと約束。

黒部五郎岳。深夜0時にTJARの選手達が富山を出発し、劒岳から薬師岳を通り、黒部五郎岳を経て双六小屋に到達する。どこかでトップ選手に会えるかな?という期待もあったけど、さすがにこの時間にはまだこの山域には到達していないのね。

こっちにも行きたくなって、まいっちんぐ。またの機会ということで。

祖父岳とその右奥は赤牛岳っぽい。そのさらに奥には立山と劒岳かな。鷲羽岳は昨日からずっと見ていたので山頂からの写真は撮り忘れたw。右側に水晶岳(黒岳)と鷲羽岳がドシっと構えている。

百名山を制覇するならば、ここから見えている山々も当然歩くことになるんだけど、想像以上に奥深くて、本当に歩けるんだろうか…というのが率直な気持ち。百名山制覇って、途方もない気がしてきたよ。気軽なスタンプラリーじゃないことは間違いない(笑)

そんでもって、こっち側を見れば槍ヶ岳や大天井岳や燕岳なんかも見えるわけで。これが360度の絶景というヤツだね。最高です。最高なんです。大事なので2度言いましたw

これから向かう双六岳方面。この稜線を歩いて双六小屋へ戻る。とても気持ち良さそうだ。双六小屋は、窪んでいる谷間のところ。

双六岳へ。気持ち良い稜線歩き

右手に笠ヶ岳を見ながら、まずは目の前の丸山まで一旦下り、そして登る。すれ違った登山者から、雷鳥の目撃情報を教えてもらった。ソウタと二人、ペースアップして現場に急行する(笑)と言っても、すぐそこではなくて、20分くらい先のようだ。果たして間に合うだろうか…

丸山を過ぎ、前方に双六岳が見えてきた。雷鳥の目撃現場は、下から数えて2番目の雪渓付近。場所的には、昨日僕らが見た親子っぽいなぁ。出会えるだろうか。すると、雷鳥のあの独特な鳴き声をソウタとはっきり聞いた。あれ?近くにもいるの??

ここでもすれ違った登山者の方から雷鳥の目撃情報をいただく。まだ間に合うかもしれない。急げ〜

・・・と、頑張って歩いてきたんだけど、目撃された付近には雷鳥親子の姿なしw。ま、ずっとそこにいるわけじゃないし、彼らにも用事があるだろうし(笑)
こっちの雷鳥は目撃できなかったけど、別の雷鳥の鳴き声は聞けたから良しとしよう。

休憩中、新アイテムを投入。この日、稜線はそれなりに風が強かったので測定してみた。体感的には、瞬間最大で10mくらい?なんて思ったけど、ご覧の通り5mほど。よく「20mの強風が・・・」なんて話を聞くけど、それは半分くらいだと思って聞いたら良いと、どなたかつぶやいてました。あながち間違ってない指摘かも(^^;;。数値化って大事。特に子連れハイクには。

こちらの風速計。SKYWATCH社のXplorer2です。値段はそれなりにするけど、登山で使われているので信頼できるもの。1は風速計だけ。2は温度計もついている。3はさらに高度計が付いている。値段も順に高くなる。温度計は別に持ってるので、1でも良かったんだけど、なんとなく2で。
→風速計のレポはこちら:数値化の道具/Skywatch Xplorer 2

残るアイテムはガーミンか….これはハードル高いなぁw

数値化の道具/風速計Skywatch Xplorer 2

双六岳への最後の登り。ひょいひょいって進んでいくソウタ。いや〜、これなら鷲羽岳も行けたかな(笑)なんてね。

7:25、双六岳(2860m)、登頂〜!本日の2座目。おめでとう。後ろには黒部五郎岳と薬師岳。なんて贅沢なんでしょ。

黒部五郎岳をバックにして親子ショット。ソウタがいると、いつも声をかけてくれる人がいるので撮影のお願いもスムーズなのです(笑)お揃いのショートパンツがGood!!(自画自賛w)

槍ヶ岳を見つめるソウタ。この景色は歩いてきた者だけが見ることのできるもの。頑張ったね。眼下には、かの有名なだだっ広い稜線が広がる。あそこを歩きたかったんだよね。

憧れの風景

ん〜、最高っす。なんもいえね〜w。深田久弥が双六岳を歩いていたら・・・百名山に入っていたんじゃなかろうか。とても素敵な山。

撮りたかった1枚。歩きたかった場所。念願叶った!!悔いなし(笑)ここから見る槍ヶ岳が一番好きだという人が多いと聞くが、それも頷ける。

なんて贅沢な2日間なんだろう。お腹いっぱい、胸いっぱい。晴れは正義なのだ〜。

8:20、双六小屋に到着。予定を30分以上短縮しているので、これなら下山も時間に追われることはないはず。はず…

ここで痛恨のミス。山バッジを買うつもりでいたのに、ソウタが休憩なしで進むと言ったので、小屋に寄るのを忘れてちゃいました。鏡平で思い出し、ソウタが「じゃ、戻ろうよ」という絶望的な発言をしたので、ちょっとゾッとした(笑)本気で戻れると思ってるのかな?子供って怖い〜w。

ロングハイクの終わり

双六小屋のテン場。いつかここにも張りたい。2泊以上でのんびり歩きたいよね。

さぁ、鏡平に向けて出発。朝よりさらに暑くなっているので、水分補給はしっかりと。それにしてもアヅイ…

鏡平までの稜線は昨日も歩いているから、花を見る回数も減って、どんどん進む。

と、ここでカメラのバッテリー切れ。前回の反省が全く活かされず、予備バッテリーの準備もなし。ここからはiPhone写真でお届けしますw
※帰宅後、予備バッテリーを無事にゲット

槍ヶ岳と西鎌尾根も見納めなので、しっかり目に焼き付けて。下山恐怖症とはうまい言葉だよね。まさにそれ。帰りたくない病とも言うw

10:15、鏡平に到着。ここで早めのランチ。限定のかき揚げうどん(@900円)&かき氷(@400円)みぞれ味を食す。かき氷はマジで生き返った。といっても、僕はソウタから一口しか貰えなかったけどw。

鏡平からは黙々と下山するのみ。かなり早めのペースで大人をごぼう抜き。その目的は、ここ秩父沢出合での水遊び。頭から水をかぶり、靴も抜いで脚をクールダウン。熱中症にならないように、思い切って全身を冷やした。まだ3時間くらい歩くからね(涙

13:10、わさび平小屋に到着。ソウタはリンゴ(@250円)を丸かじり、僕はたまらずコーラを飲み干した。暑いので多めに休憩を取る。隣の方と鍋平まで登るんですよ〜なんて話を笑いながら交わす。さすがに鍋平までロープウェイを勧められたけど・・・僕らは最後までチャレンジするのだw。

そうそう、これは違反ね。ここの林道は自転車すら乗り入れできないところ。気持ちはわかるけど、ルールは守りましょう。

15:00、新穂高登山指導センターに到着。ひぃ〜、疲れたww。もう登る気力も脚も残ってない。出し切った!ロープウェイで・・・と考えてたら、ソウタが歩きたいって。マジか…

行きは暗くて花を見てないし、写真も撮ってないから、帰りに撮ってだとさw。タフだわ〜。鷲羽岳が厳しかったのは、もしかしたら僕の方かもしれない(笑(涙

15:50、鍋平の駐車場に無事帰還。後半は沢で水遊びしたり、休憩を多めに取ったりしたので、なんだかんだと遅くなってしまった。

それにしても、よく歩いたなぁ。夏山チャレンジハイク、無事成功!ということで。天気に恵まれ、絶景に囲まれ、最高に楽しい2日間だった!

総括

距離:42.133km
累積標高:D+2794m/D-2815m
標高差:1783m

これらの数値がすべてを物語ってる。7歳(小1)にしては立派すぎる、とっても誇れる数字だと思うんだ。ほぼフルマラソンw。本当に本当に、よく歩いた。親バカだけど…素晴らしいの一言!

キツめの負荷トレーニングだったけど、無事達成。さらに逞しくなったんじゃないかな。今回に限らずだけど、辛い時でも諦めずにゴールという目標に向かって進んでいくことって素晴らしい事。山歩きを通じて、諦めない気持ちを養ってほしいな。そして、こういう地道な積み重ねがあるからこそ、次に歩く山もまた、楽しく歩けるんだと思う。山歩きってやっぱりイイよね。

来年の夏もチャレンジするぞ〜!!(ゲンタも一緒に歩けるかな)

子供と歩いた42kmのロングハイク!三俣蓮華岳・双六岳〜子供とテント泊登山(前編)

お花ダイジェスト

ソウタが見つけて名前も全部教えてくれたお花達。
駐車場や林道から撮影してるので高山植物以外も混じってますw

上段左から:メマツヨイグサ、ソバナ、シモツケ
中段左から:ヤマアジサイ、イチヤクソウ、クサボタン
下段左から:ゴゼンタチバナ、メタカラコウ、ネジバナ

上段左から:ジャコウソウ、ヒヨドリバナ、アキノキリンソウ
中段左から:調査中、調査中、クロマメノキ
下段左から:オトギリソウ、ハクサンオミナエシ、ミヤマトリカブト

上段左から:ハンゴンソウ、ホツツジ、ミヤマリンドウ
中段左から:シシウド、オオレイジンソウ、オトギリソウの蕾w
下段左から:ミヤマカラマツ、ハクサンフウロ、ミヤマウイキョウ

上段左から:エゾオヤマリンドウ、ニッコウキスゲ、ヤマハハコ
中段左から:チングルマ、ミヤマキンバイ、ヨツバシオガマ
下段左から:タカネニガナ、調査中、クルマユリ

上段左から:コバイケソウ、コケモモ、調査中
中段左から:ウサギギク、ウメバチソウ、カンチコウゾリナ
下段左から:ミヤマダイモンジソウ、イワオウギかな、コウリンカ?

上段左から:トウヤクリンドウ、エゾツガザクラ、キヌガサソウ
中段左から:ダイコンソウ、イワツメクサ、ミヤマウイキョウ
下段左から:オンタデ、チシマギキョウ、ハナイカダ