2017.9.23〜9.24、ソウタと憧れの槍ヶ岳を登ってきました。いよいよ槍ヶ岳へ。前編はこちら
Road to YARI!!
2日目は大本命の槍ヶ岳に登る日。でも、槍ヶ岳に向かうまでの3000m級の稜線歩きもまた、今回の楽しみの1つだったりする。歩けば歩くほどに槍ヶ岳が近づいてくるなんて、もう最高にテンション上がりそう。しかも、この日はいくつかの予報サイトで秋晴れの登山日和とのこと。もう期待しかない。
5時に南岳小屋を出発。夜明け前の北アルプス。前日の夕方から冷え込んで、氷点下も覚悟していたけど、出発時の気温で4度。風速5mというコンディション。想像していたより寒くはないけど、ダウンやフリースキャップは欠かせない状況。北アルプスはもう晩秋だった。
就寝事情
今回の就寝装備は、思い切ってキュムラスX-LITE 200ZIPで攻めてみた。-5度まで問題ないのは過去のテント泊で実証済み。ソウタは、シュラフカバーをかけ、ウェアは上にフリース&ダウンジャケット、下はプリマロフトパンツ。さすがに暑かったらしく、シュラフから這い出ていたw。僕はソウタほどの装備ではないけど、プリマロフトのジャケットだけを着てシュラフに潜ったけど、特に寒い思いもせず朝まで快適だった。やっぱり、キュムラスはできる子。
薄暗い中、ヘッデンをつけて槍ヶ岳を目指す。穂先に登る人、大喰岳付近を歩く人達のヘッドランプが見えて、山が動き出している感じ。
山歩きを初めて4年ちょっと。まだまだ初級の我が家も、ついに槍ヶ岳かーと、何だか感慨深い。心の準備はできているし、自信もある。きっと大丈夫。
朝のまったり気分も、こういう道で一気に引き締まる。気を抜かず慎重に
Road to Yari!シンボリックな槍ヶ岳を見ながらの稜線歩き。最高です。大事なのでもう一度。サイコーw
常念岳の上から朝焼け。一気に明るくなり、ようやく暖かくなってきた。
振り返れば穂高連峰。あのギザギザ感ヤバいね…。いつか歩くのかなぁ、天使のところw
中岳への最後の登り。ちょっとペースダウンしたけど、青空の下、歩ける喜びを噛み締めて。今日は最高の1日になりそうな予感。
中岳(3084m)に登頂〜!ここは日本で12番目に高い山。南岳に続き、今山行で2座目の3000m峰。やったね!
山頂からは周辺の山が全て見渡せた。鞍部に三俣山荘が見えるから、右が鷲羽岳、その隣に水晶岳。奥は薬師岳?
中岳の山頂直下にある梯子。昨日から若干麻痺気味だけど、一般的な登山道と比べると、結構ハードなルートだよね。でも、槍ヶ岳登頂前の良い体慣らしになったと思う。槍ヶ岳の梯子はもっと長いとか急だとか、そんな会話をソウタと交わしながら、間も無く登る槍ヶ岳に想いを馳せた。
振り返って中岳。
ここは標高3000m。猿がいるなんて本当に驚いた。雷鳥は食べないでね。
中岳から大喰岳の区間は、歩きやすくて最高に気持ち良い。何度も立ち止まってしまう。
大喰岳(3101m)に登頂〜!こちらは日本で10番目に高い山。今山行で3座目の3000m峰。やったね!残すは奥の槍ヶ岳のみ!当たり前だけど、槍ヶ岳がグッと近づいてきた。さぁ、いざゆかん。
大喰岳からみる槍ヶ岳が好きになってしまった。まだ槍ヶ岳に登ってもいないのに、何だろうこの満足感は。南岳〜槍ヶ岳の稜線歩き、そこから見える景色が素晴らしいからだろうね。ここを子供と一緒に歩いているという喜び。
飛騨乗越。槍ヶ岳山荘までもう一踏ん張り。
7:15、槍の肩に到着。写真でみた世界が目の前にある。
穂先アタック!
南岳小屋から槍ヶ岳山荘までは、予定より早く到着。ザックをデポして、準備を整え、目指すはあの頂き。なんだかドキドキしてきたぞー(笑)
登頂まで写真多めでご覧ください。
最初の数分だけは普通の岩場歩きで、そこを過ぎれば山頂までイメージ通りの岩登り。
小槍側に出たところ。ソウタもアルプス一万尺を知っていて、「アルプス一万尺〜小槍の上で〜アルペン踊りを〜さぁ踊りましょ〜」のあの小槍が、あそこだよって教えたら笑ってた。踊れないじゃんって(笑)ちょうど2人PTがアタック中でした。しかし凄いよね。
槍ヶ岳らしくなってきた。2人とも特に怖さは感じず、いつもの岩場登りのように淡々と。渋滞するくらいが、むしろのんびり登れて良かったと思う。少し力を抜くぐらいが良いよね。Beefさんと話ながら、景色を楽しみながら登っていく。
ここまでは特に身長が足りないと感じるところもなくて、しっかりホールドできている。
唯一怖がった場所が、このボルトのところ。手足が届かない怖さだと思う。実際、ボルト間の距離があって、ソウタはどこを掴めばいいのか迷っていた。人工物に頼りがちだけど、岩の出っ張りや隙間にも手足はかけられるから、そういうところも使ってとアドバイス。ほんのちょっとだけ、お尻を押し上げてサポートし、無事クリア。
五竜岳や塩見岳の岩トレが効いている。ソウタはわからないけど、僕は高所が苦手。でも、今回は不思議と怖さは感じず。慣れというか、若干麻痺しているような。
最後の梯子に近づいてきた。ここまできて登頂を確信。でも、油断は禁物。最後のロングな梯子も慎重に登らなければいけない。
これがブログや動画で何度も見てきた梯子か。あの先には念願の・・・(ウルッ)
ソウタ、念願の槍ヶ岳(3180m)に登頂〜!!!!!今年一番、いや、山歩きを始めて一番震えた瞬間かもしれない。看板を掲げるソウタの表情を今でも忘れない。とっても自信に溢れていたから。こういう感動の瞬間に立ち会えるというか、それを一緒に共有できるから子供との山歩きは最高なんだよね。本当におめでとう!どんなに困難なことでも、やればできる。それを自ら証明したソウタは、素晴らしい。
Beefさんと3人で。僕たち、槍ましたw! 槍ヶ岳は日本で5番目に高い山。今山行で4座目の3000m峰。やったね!
山の晴れは正義。マジで最高。去年歩いた双六岳や三俣蓮華岳、鷲羽岳に水晶岳、黒部五郎岳に薬師岳。北アルプスの最深部までずらりと。右下の赤色のギザギザしたところは硫黄尾根かな。
山頂から槍ヶ岳山荘の眺め。奥には笠ヶ岳がどっしりと鎮座。鏡平も見えた。もう、ありきたりなんだけど、最高という言葉しか出てこない。
今日歩いてきた道。あの稜線を歩いてからの槍ヶ岳登頂。痺れるねぇ
立山、剣岳方面。今年は機会がなかったけど、いつか立山も。できれば残雪期にお邪魔したいな。もちろん、そのレベルに達してからね。
穂先からの下山
山頂は時間的なものか、我々以外に数組。とても空いていて、のんびり景色も楽しめたし、写真も撮れた。日曜の8時過ぎでも、下山時間を考えると、遅い方なのかな。名残惜しいけど、我々も下山といきますか。
最初の下り梯子は怖かったみたい。まぁ、さすがにてっぺんから下を見ると普通は怖いよね。でも、怯えるほどではなかったので、慣れというか、ソウタも少し麻痺している部分があるのかも。個人的には、言われるほどの高度感は感じなくて、特に問題なかった。たぶん、足場が見えるからなんだよね。これが、数百メートル下まで垂直だったら、間違いなく怖いと思うw
下りルートは、意外と鎖場が多くて、身長の低いソウタは少々てこずった。ちょっと宙ぶらりんになりそうなところもあって、とりあえず、鎖使わないでいけるとこは5点支持で。登りより気を遣ったし、子供は下りの方が難易度上がるような気がする。
僕の反省点は中腹辺りで躓いちゃって、立て直そうとするも足がもつれて、あれ?あれ?みたいな感じで、どんどんとw。幸い足場のある場所だったから良かったけど、急な場所だったらと思うとゾッとする…
無事に安全圏まで。達成感と充実感がものすごい。
短い時間だったけど、感動をありがとう。当初の心配は何処へやら。なんだかんだと、怖がらず楽しそうに登ったソウタはすごいな。今回の槍ヶ岳登頂が、また1つ、大きな自信に繋がるといいね。本当におめでとう。
小屋でコーラを飲んでお菓子休憩。俺たちの“正装”に着替えてから下山開始(笑)この天気だと、やっぱり短パンで軽やかに下りたい。着替えを持ち運ぶ我々は果たしてULハイカーなんだろうか(笑)いや、見習いだったわw
もちろんパンツはお揃い。今回はサプレックス生地のMARPAT柄(デジタルウッドランドカモ)で揃えてみた。大人版のYAMA-Shortsも次回からオーダー受付できそうです。
また来るよ、槍ヶ岳。さぁ、ここから22kmのロング下山(笑)長すぎでしょw
登ってくる人、降りていく人。今日も槍ヶ岳にはたくさんの人が足を運ぶのかな。この天気、間違いなくアタリの日。
雲ひとつない。晴れは正義。それを存分に味わった2日間だった。
眼下に殺生ヒュッテ。今回はスルーしたけど、いつかテントを張ってみたい。
暑いので沢でプチ水遊び。頭から冷水を浴びてクールダウン。ここは梓川の源流近く。これがあんなに大きな川になるんだもん、自然って偉大。
徐々に色づき始める山肌。見頃は連休あたりかな?槍ヶ岳も賑わうんだろうね。
気持ち良い下山。まったりと、幸せな時の流れ。若干眠いw
と、そんな時、まさかのサプライズ。なんと、みーパパさんに遭遇したのでした。や〜、びっくり。死ぬまでにはお会いできるだろうとは思っていたけど、こうして槍ヶ岳の途中で偶然出会うなんて、ラッキーでした。これから槍に向かい、翌日は大キレット超えをされるそうです。お気をつけて〜。また山で会いましょう。
良いペースで大曲まで。上高地はまだまだ先。脚、持つだろうか…という不安。
槍沢ロッジで昨日食べられなかったカレーを食す。うまかったなぁ。生き返るとはこのことか。もう1杯お代わりしてもいいくらいだけど、お財布がそうさせてくれなかった(笑)次のターゲットは徳沢のソフトクリームw。もう一踏ん張り!
今回もBeefさんと楽しく歩けました。ソウタも遊んでもらって、大満足。
ここから先は、ひたすら歩くのみ。単調な道で飽きてくるけど、頑張れ。ソウタもさすがに足が痛いみたい。って僕の方がヤバイw。なんだろう、親の威厳って…(涙)本気で鍛えなきゃいけない。アンチエイジング!w
徳沢で恒例のソフトクリーム。実は徳沢手前から走ってるんだよね。Beefさんの速いこと速いこと。40km超えてからまだ走れるって、すごいな。。僕より年齢が上なのに…とちょっと自分が恥ずかしくなった。これからも長く子供達と一緒に歩くためにも間違いなくトレーニングは必要だと痛感。やらねば。
河童橋に無事、ゴーーール!周りとのギャップが面白いよね(笑)なにあの子?みたいな視線を感じるw。2日間で45kmくらい歩いたのかな。最後まで頑張ったね。しかも、明神から小梨平まで、僕らも走りったり早歩きしたから、もうクタクタっす。
※この距離でもコースタイムの約0.7で歩いたソウタの走力はすごいの一言。
子供と槍ヶ岳登山の総括
ソウタの憧れだった槍ヶ岳。今回は、槍ヶ岳単体ではなく、3000m峰を4座歩くという欲張りプラン。距離もあるし、登りもキツイし、普段から距離をこなしているソウタでもかなりハードだったと思う。でも、その分最高の景色を味えたし、達成感や満足感もいっぱい。南岳、中岳、大喰岳と槍ヶ岳を見ながらの北上、個人的には大喰岳からみる槍ヶ岳が印象的だった。
そこからの槍ヶ岳アタック。これまで色々準備もしてきたし、登れるという自信もあった。でも、現地に行くまでは不安の方が大きくて、大丈夫かな?って。そんな心配をよそに、いつも通り、しっかりと登るソウタの姿を見ていたら、あぁ成長したんだなぁって。泣けるかな?と思ったけど、そこまでではなかったけど、こうしてブログを書いて振り返ると、改めてすごい頑張ったなぁ…って。槍ヶ岳の山頂で、一人で看板を掲げる姿は、きっと一生忘れないと思う。それくらい僕にはグッときた光景だった。本当に一緒に登れて良かった。怪我なく事故なく無事に帰ってこられたことも含め、記憶に残る良い山旅でした。またいつか、一緒に歩こう。
ゲンタ、ユウタにもこの景色を見せてあげたいなって思えるから、地道にトレーニングを重ねて、チャレンジしたい。
またいつの日か。ありがとう槍ヶ岳!
数値データで振り返る槍ヶ岳山行
上高地BTー明神 42min/60min(70%)
明神ー徳沢 46min/60min(76.6%)
徳沢ー横尾 50min/70min(71.4%)
横尾ー一ノ俣 46min/60min(65.7%)
一ノ俣ー槍沢ロッジ 34min/40min(85%)
槍沢ロッジー大曲 53min/100min(53%)
大曲ー槍沢・天狗原分岐 40min/60min(66.6%)
槍沢・天狗原分岐ー天狗池 44min/40min(110%)
天狗池ー天狗原分岐 109min/130min(83.8%)
天狗原分岐ー南岳小屋 24min/20min(120%)
南岳小屋ー槍ヶ岳山荘 135min/180min(75%)
※この区間はログが飛んでしまって正確に計測できず。休憩含め135min
槍ヶ岳山荘ー山頂 21min/30min(70%)
山頂ー槍ヶ岳山荘 11min/30min(36.6%)
槍ヶ岳山荘ー坊主岩小屋 31min/40min(77.5%)
坊主岩小屋ー槍沢・天狗原分岐 32min/60min(53.3%)
槍沢・天狗原分岐ー大曲 22min/50min(44%)
大曲ー槍沢ロッジ 37min/60min(61.6%)
槍沢ロッジー一ノ俣 28min/30min(93.3%)
一ノ俣ー横尾 40min/50min(80%)
横尾ー徳沢 53min/70min(75.7%)
徳沢ー明神 38min/60min(63.3%)
明神ー上高地BT 32min/60min(53.3%)
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