2018.8.4~8.5、ソウタと北アルプスの穂高連峰を歩いてきました。(奥穂高岳編・涸沢岳編)
ついに穂高へ
何度も足を運んでいる上高地から、いつも見上げていた穂高連峰。あの頂きに登る日がくるとは。
今年の冬に、雪の西穂高岳独標(前編・後編)に登った時に見たのが過去一番の至近距離だっただろうか。昨年9月に槍ヶ岳(前編・後編)に登ったことで、そろそろ登ろうかなぁと意識して、今年の7月に黒戸尾根を日帰りできたことで体力的な心配も少なくなり、よし穂高に登ろう!と決めました。
山歩きを始めて5年。体力面、技術面、体格面、経験値などを考慮して、自信を持って穂高に登ることができるタイミングだということ。
重太郎新道から吊尾根を歩く
個人的に歩いてみたかった重太郎新道(じゅうたろうしんどう)と吊尾根を絡めたルートで計画をたてた。重太郎新道は下りで事故が多いため、できるだけリスクを減らすために登りで利用。奥穂高岳だけを目指すなら涸沢から入るのがベストなのかもしれないけれど、我が家らしく重太郎新道&吊尾根からアプローチ。3000m峰21座の為にも、前穂高岳に登っておきたいのでね。
上高地~岳沢小屋~重太郎新道~紀美子平(⇔前穂高岳)~吊尾根~奥穂高岳~穂高岳山荘
●Day2
穂高岳山荘(⇔涸沢岳)~涸沢~上高地
上高地~岳沢小屋
前日夜に自宅を出発し、沢渡駐車場に1時過ぎ着。なんとか3時間ほど仮眠を取れたのが幸い。ソウタは自宅からずっと寝ていたので、6~7時間くらいは寝れているけど、いつもに比べると少ないので、3000m超えの今回は不安材料だったりする。まぁ、その不安が的中するんだけど…
始発バス(4:40)に乗って、上高地へ。朝は少し肌寒いくらいなので、ソウタはpatagoniaのキャプリーンTee&asobitogearのYAMA-Pants(DeepForest)。僕は半袖とロングパンツでスタート。日が差せば、暑くなるはず。
穂高岳山荘のHPには、7月末と8月1週目の週末が混雑予想となっていて、この週末はまさにそこ。2日間の天気予報も良好で、登山者も多くて、テン場も凄いだろうなー
上高地には猿がたくさん。朝から、登山者を威嚇しておりましたw
5:30、上高地スタート。これから歩く奥穂高岳と吊尾根を見て、ドキドキが止まらない。楽しみ半分不安半分と言ったところ。例年、事故も多いので、かなり慎重に登るつもり。
岳沢登山口から、まずは岳沢小屋を目指す。
お馴染みの風穴。涼しい風を浴びてクールダウン。って、まだそこまで暑くないしw
淡々と歩く。特にキツイ登りではないので、ここはコースタイムを縮めて貯金を作りたいところ。
見上げれば穂高。右が奥穂高?とすれば、左端がジャンダルム?正直、ここから見上げても、どれがどのポイントかわからないw。→(追記)ネットで調べたら、天狗沢という所みたい。左が天狗岩で、一番低い所が天狗のコルということか。
岳沢小屋が見えてきた。小屋のfacebookを良く読んでいるので、ちょっと緊張。40Lザック1つに半袖短パンなので、「軽装の親子が…」とか書かれたらどうしよう(笑)もちろん、軽装備ではないけどねw。今回は岩歩きが多いので、安全の為に外付けマットを止めて、スッキリと。
7:10、岳沢小屋に到着。上高地から約1時間半。少しだけ貯金できた。時間的余裕はあればあるほど有難いからね。まだ序盤の序盤だし、10分だけ休憩して、すぐに出発。ヘルメットを被って、いざ重太郎新道へ。しげたろうではないよw
重太郎新道で紀美子平へ
小屋から上を見上げてみたけど、やっぱりわからない。僕の中では全てジャンダルム(笑)
こっちはわかるぞ。冬に登った西穂高岳独標だ。ソウタに教えてあげたら、ようやく位置関係が掴めてきたようだ。
小屋の裏にはお花畑。癒しの空間。
お花畑を過ぎれば、一気に険しい岩場へと変貌。いよいよ始まるのかと思うと、軽く興奮してきた。ソウタも登りモードにスイッチ。事故も多いから、急がず慎重に登るぞと声を掛けた。
有名な梯子。下り利用時に、転倒してしまう人が多いみたい。ここを下りで使うという事は、吊尾根から重太郎新道を降りてきて、最後の梯子になるわけで、体力を消耗しきって、体が思うように動かなくなると、こういう何気ない梯子でも事故が起きやすいんだと思う。
信州山のグレーディングでは、前穂高岳(重太郎新道)は難易度Dになっている。個人的には、吊尾根より、この重太郎新道の方が難しいと感じた。ソウタの身長で届かない場所はなかったし、特段難しい所もないんだけど、ひたすら上へ上への岩登り(コースタイムで3時間)。でも、僕らは楽しみながら、アスレチック気分で登ることができた。もちろん、これまでの数々の経験あっての話だと思ってます。
このギザギザ具合は、奥穂~西穂の最難関ルートかな。どこもギザギザしてるから…汗
カモシカの立場
2018年夏。ソウタと穂高チャレンジの一枚。いつかこの写真を見て、一緒に穂高を歩いた記憶を思い出して欲しいな。
重太郎新道も、まだまだ序盤。先へ進もう。
ホッと一息。ヤチトリカブトかな。
何度も出てくる梯子を登り
岩も鎖も、次から次へと立ちはだかってくる。でも、集中してるから、なんだか楽しいんだよなぁ。
イワヒバリさんでよろしいでしょうか?
登ってきましたなー。眼下に上高地、右に焼岳、左に霞沢岳、奥に乗鞍岳。
岩&岩登りの連続だったから、こうやって普通に歩ける場所はホッとする。奥にちょこんと覗いてるのは前穂高岳だろうか。
登るにつれ、下山中の登山者とすれ違う回数も多くなってきた。ソウタを見て、たくさんの人が声をかけてくれる。このルートに小学生がいると、やっぱり目立つよね。
雷鳥広場に到着。過去、雷鳥●●という名の付く場所で雷鳥に遭遇したことはナイ。もちろん、ここにも雷鳥はいなかった(涙)。でも、奥穂高岳では期待したいな。ソウタにも、今日は絶対会えると思うよって、言ってしまったしw
真ん中の岩場を越えたとこが、紀美子平っぽいな。まだまだ続くよ岩登り。
これも有名な梯子。前は、もっとひしゃげた梯子だった気がするけど、付け替えられたのかな。
この後、長い鎖&岩場を登り詰めるところで、下山者の大渋滞。数日前から、韓国人の団体ツアーが120名ほど穂高に入山していたようで、その御一行が通過中の様子。登りは我が家含めて4名だけなので、下山者が途切れるタイミングで…と思って待ち続けていたけど、なかなか途切れず&譲っていただける気配もなく、時間ばかりが過ぎてゆく(笑)まぁ、怪我されても困るので、ゆっくりどうぞと思いながら眺めていたら、日本人の方だったかな、どうぞ~先に登ってくださいと言ってくださって、無事に通過できました。渋滞待ちも、その間に交わす会話も、夏山ならではということで。
9:40、下山者が途切れないなーと不思議に思って登りきったら、そこは紀美子平でした。なるほど、だからひっきりなしに人が降りてきたのか。
岳沢小屋から紀美子平まで2時間20分で上がってこれたので、貯金が増えた。ここまでCTの0.7程。一応、計画通り進んできてる。ザックを下してしばし休憩することにした。
1つ目の難所だった重太郎新道を登り終えた達成感に浸りながら、この景色を堪能する。
下から見上げていた稜線も、ようやく同じ目線に入ってきた。真ん中が奥穂高岳で、それに続く道が吊尾根だ。ここ、ホントに歩けるの?というのが率直な感想。
前穂高岳へ
10:10、ゆっくり休んだ後は、1つ目のピーク、前穂高岳へ。荷物を置いてピストンなので、ものすごく気楽。とはいえ、ここの登りもけっこうキツイらしい。斜度もあるので、上方に注意しつつ、落石させないよう慎重に。
天気も良くて、景色も良くて、穂高を楽しめてる。3000mを越えてきたけど、睡眠不足の割に元気に歩けてる僕。ソウタはいつも通り、絶好調というか、マイペースで淡々と登ってる。荷物持たせてないから、本当に身軽。
振り返る。最高だね。
一生懸命登ってきたら、いつの間にか最後の登りに差し掛かっていた。あと一息。
10:30、前穂高岳(3090m)に登頂~!難しいと言われる重太郎新道を登り詰めての登頂は、とても感慨深い。ソウタ、本当におめでとう!3000m峰はこれで9座目だ。一歩一歩進んでいこう。
手前に北穂高岳、その奥に大キレットがあって、南岳、中岳、大喰岳、槍ヶ岳と壮観な眺め。あそこを去年歩いたんだなぁって。いつかは大キレット…がソウタと2人の目標。もっともっと経験が必要(身長も)
表銀座方面。常念岳、大天井岳、燕岳を歩いたのはもう3年前なんだね。
奥穂高岳から左に伸びるのは、たぶん歩いちゃいけないコース(笑)奥穂~西穂は国内最難関ルートで、そんなところ、いつか歩く日がくるのだろうか…
思う存分、山頂からの景色を楽しんだので下山。下りは登りと同じく20分。さすがに岩も大きくて、急傾斜だし、サクサクっとおりられなかった。さて、紀美子平でランチして、吊尾根から奥穂高岳を目指しますか。
奥穂高岳編につづく
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