厳冬期の西穂高岳独標へ(後編)~子供と雪山登山

西穂高岳独標

厳冬期の北アルプス、西穂高岳独標をソウタと歩いてきました。前編の続きです。(2018.2.24~25)

西穂高岳独標を目指して

小屋泊の朝は快適。自炊だけど、テントとは違って暖かいし、机も椅子もあるし、ほんと至れり尽くせり。荷物を整理して、7時前にはパッキングを済ませて、出発準備完了。

雲はあるけど、概ね晴れ。風も昨日よりは弱い。と言っても、そこそこ強いがw。コンディションに問題がないので、予定通り、西穂高岳独標を目指すことにする。気温は小屋の温度計で-13℃。去年の赤岳鉱泉が-20℃だったので、荒れた天気だった割に冷え込まなかったように思う。

硫黄岳の途中まで〜厳冬期の赤岳鉱泉で子供と雪山テント泊登山(前編)

2017.03.02

 

出発準備を整えて、いざ出発!アイゼン、ピッケル、ヘルメット、ハーネス。さらには強風なので、バラクラバ&ゴーグルとフルスペック装備で挑みます。ソウタから暑いという一言があり、ちょっと嬉しかったり(笑)胸のジッパーを開けて調整。どうせすぐに寒いって言うでしょw

 

スタート直後が一番天気が良かったと思う。うっすら日も差して、周りの雪山が綺麗でした。

 

乗鞍岳と右手前には焼岳(の噴煙がチラ見え)。雪の乗鞍岳も歩いてみたい。

 

西穂山荘の裏手にある急な坂を上れば、見通しの良い広い尾根に出る。目指す独標は、右側の黒いとこ。その先には、今はまだ行けない西穂高岳。

 

奥穂高岳と前穂高岳。そして吊り尾根かな。あってる?

 

シュカブラ。

 

丸山の手前。風が徐々に強くなっているけど、10mあるかないか。これくらいは冬季北アルプスでは標準だろうね。気温-10℃以下、風速10~15m、歩行時間2~3時間。これに耐え得る装備が必要。今日のこの風さえも、良い経験になる。

 

丸山に到着。昨日の悪天候もあって、今回は登らずに帰ることも覚悟していただけに、歩けて嬉しい。

 

ここから先は、ぐっと傾斜も上がり、徐々に風も強くなってきた。ソウタ、頑張れ!

 

霞沢岳かな。

 

ソウタは、ちょっと体調が良くない気がする。花粉による鼻水・目の痒みで、しんどそう。いつもより体温も高い感じで、微熱っぽいような。でも、元気なので、こうして歩いてるわけなんだけど。気温、風、決して楽なコンディションではない中、登り続けるソウタの姿を見て、改めて逞しい息子だなって思えた。

 

独標に近づくと、ソウタの身体が何度か持っていかれそうになり、「パパ、飛ばされそう…」ってw。体重が軽いので、大人より風の影響を受けやすい。残念ながら風速計を武尊山で失くしてしまって、正確な数値は測れないけど、過去の経験から15m前後と推測されます。この区間はトレースも広いので、僕が風上に立って、少しでもソウタに風が当たらないように工夫して歩いた。

一瞬グローブを外すことがあったんだけど、1分程度で、感覚がなくなるのが恐ろしい。甘くないね、北アルプスは。

 

核心部、独標直下の急斜面

寒さ、強風。気持ち的にめげてしまいそうな環境だけど、ソウタは弱音も吐かず、しっかりと独標手前まで到着。まだ小さいのに、ほんと頑張り屋さんだ。

 

前に10名程の団体さんがいて、先にいきますか?と声をかけてくれて、じゃ先に行きまーす、と言ってしまったので、独標手前の写真を撮り損ねたw。もっとじっくり写真を撮りながら…なんて思ってたんだけどね。心の準備もできず、目の前には、鎖の取り付きが。確保?ロープ?登りでは必要ないとおもってたので、フリーで登らせます。いざ!

 

山頂直下の急斜面を、ピッケル、アイゼンフル稼働で無事にクリア。厳冬期の西穂高岳独標(2701m)に到着!ソウタ、本当におめでとう。

こはなのさんが動画を撮ってくれたんだけど、最後は本人より喜んで、ガッツポーズしちゃった(笑)ソウタは淡々と、余裕のある登り方だった。登りは怖さもなかったようだしね。鎖から先は、ダガーポジションで何度かピックを打ち込んで。最後の方は石突き部分で普通に登れました。

 

久しぶりに痺れた~。親として、無事にという気持ちでソウタの手先・足先をしっかり見つめながら、一緒に登るこの一体感。過去、いくつか思い出に残る山行はあったけど、今回の独標も同じくらい、ドキドキ・ワクワク。楽しかった!昨晩、小屋でスラムダンク最終巻を読んで、気持ちを高ぶらせたのが良かったかな(笑)

 

ダガーポジションで登る登山者。これを見ると、ソウタ、よく頑張ったなって思うw

子供目線になりますが、登りに関しては、予想していた通り、怖さは感じなかったようです。たしかに、斜度はあるけど、距離も短いので、アイゼン、ピッケルをしっかり使えば特に問題なく。とはいえ、経験が浅いと厳しいとは思います。それなりに、雪の急斜面を登った経験が必要ではないでしょうか。

 

ピラミッドピークから西穂高岳。今回間近で見て、イメージしてたよりは登れそうという印象(大人目線)。たぶん、雪が少ないというのもあると思う。ソウタは、見た目で理解したのか、「パパ、もう先に行かないからね」って。今日はここまでだから安心しなよって伝えたら、ホッとしてました。

 

独標からピラミッドピークへ進む登山者達。我が家は無理せず、今回のゴールはここまで。

 

緊張の下り

山頂は少し風が弱かったとはいえ、動いてないと一気に冷えてくる。長居せず、帰りましょう。問題は、ここからの下りですから。

 

事前イメトレでは前向きで降りれるかなと思ってたけど、なるほど。登りに比べると数倍怖いw。噂通りでした。他の登山者に倣い、基本に忠実に、クライムダウンで降ります。僕が先行し、ソウタが後に続く形で。下から、足を置く場所、ピックを指す場所など、細かくアドバイスしながら。といっても、僕が言うまでもなく本人はしっかりルートを見極めてるんだけどね。距離は短いから、ゆっくり行けば大丈夫だよって声掛けも忘れずに。それだけで、子供は安心するので。

直前にカモシカスポーツで8mmロープを12m購入しましたが、登りも下りもフリーで行かせたので出番なし。雪が締まってたのも良かったかな。グズグズの雪だと爪もピックも効きにくくて怖いと思う。

下りになると一気に、怖さ倍増。あまり怖がらないソウタも下りはちょっと怖かったと言っていました。まったく動けなくなってしまうようだと厳しいかもしれません。技術的には、登りより、さらにアイゼンの爪とピッケルを上手に使わないといけないように感じます。山頂の岩にロープをかけるリングボルトがあるので、補助ロープで確保して下りるのも手だと思います。我が家も、そのつもりで準備してきましたが、距離が短いのと、そこまで怖さを感じなかったので、フリーでゆっくり行きました。

 

難所をクリアしてホッと一息のソウタ。最後、鎖を過ぎたところで、ちょっとコケそうになって、本人ビビってました。下まで落ちちゃうよw

 

体が冷えてるので、下りは走って。ヒップソリを小屋に忘れてしまったけど、そんなに使える場面はなかったと思う。ましてやエアボードなんて無理かもね。特急上高地行きになってしまうw

 

無事、山荘へ帰還。独標直下は緊張感もあったけど、目標が達成できてホッとした。

 

モフモフ下山

帰り支度を済ませ、ロープウェイ駅までの下山。昨夜降った雪でモフモフでした。

 

さっきまでいた独標。ここから見ると、ギザギザ感が凄い…

 

槍ヶ岳様。去年登ったのは、本当に良い思い出。また登りたいな。

憧れの槍ヶ岳へ!南岳・中岳・大喰岳縦走〜子連れテント泊登山(後編)

2017.10.02

 

ヒップソリを使った楽しい下山。思いきり滑るために、アイゼンを付けてないソウタは、登り返しの坂で悪戦苦闘(笑)やっぱり、爪がないとキツイよね。

 

鍋平の乗り換え駅で、記念写真。これが、インスタ映えってやつなのか?(笑)

 

無事に駐車場へゴーーール!お疲れさまでした。

 

まとめ

冬の北アルプスは今年の目標の1つだったので、西穂高岳独標に登頂できて大満足。冬季北アルプスの稜線歩きを味わうことができたし、とても良い体験になりました。もう少し歩行時間が長くなった時はどうなるのか、それはわからないけど、今のところ、装備面やメンタル面での大きな課題はなかったのが何よりの収穫。ソウタにとっても、かなりの自信になったんじゃないかな。本当に、よく頑張ったと思う。その頑張りに応えるべく、今回のご褒美は奮発してレゴになりましたけど(笑)

テント泊は近々リベンジしたいと思います。

 

ご一緒した皆さん、ありがとうございました。楽しかったですね。また遊びましょう!