厳冬期の西穂高岳独標へ(前編)~子供と雪山登山

山遊び

2018.2.24~25、厳冬期の北アルプス、西穂高岳独標をソウタと歩いてきました。後編はこちら

厳冬期、雪の北アルプスへ

毎年地道にステップアップを重ねてきた我が家ですが、今冬シーズンの目標の一つに、北アルプスがありました。候補は、唐松岳か西穂高岳独標。厳冬期の北アルプス稜線は、強風のイメージばかりだけど、実際どんなものなのだろうか。期待と不安もある中、今シーズンまだテント泊ができていなかったので、それも兼ねて西穂山荘をベースキャンプとして西穂高岳独標を目指すことにしました。

天気予報は、どちらかと言えば悪い予報。土曜日に限っては、ヤマテン予報でも風速25m前後、視界不良、テント倒壊など注意事項が盛りだくさんの予報でしたw。この予報を見て中止にする方も多かったでしょうね。初日は山荘停滞を前提に、予定通り向かうことに。

mokaさんこはなのさんBeefさんに、我が家まで来てもらい、白ヴァナゴンに乗り換えて出発。交通費の節約になるし、相乗り移動は助かります。2日間宜しくお願いします!

荷物はUltralightとはほど遠い、ウルトラヘビー。この時期のテント泊、どうしても荷物が多くなってしまう。いや、テント泊の道具というより、雪山に必要なアイゼンやピッケル、ショベル、今回はヘルメットやハーネス、12mのロープなど削りようがない道具があるので、どうしてもウルトラヘビーになってしまうんです。あぁ、測るのも恐ろしいw

ダイニーマを使用した Easton Gold 24インチペグ専用ケース

ソウタには5kgほど背負ってもらう。先月のくろがね小屋泊より重く、今までで一番の重さになるのかな。これが後々堪えてましたw。ASOBI-POCKETには、お菓子と水筒。忠太さんもレビューしてくれてましたが、ペットボトルや水筒は縦にも横にも入るので、冬季でも水分補給がしやすくなるのはメリット。雪山に限って言えば、前ポケット及び大容量サイズって、意外とニーズがあるなって。

【フィールドテスト】ASOBI-POCKET

MYOG:子供用Backpack by あそびとギア

新穂高ロープウェイで一気に標高を稼ぐ

新穂高ロープウェイ乗り場。ここから2本乗り継いで、標高2,156mの西穂高口駅まで一気に標高を稼ぎます。JTBでお得な割引チケットが購入できるのでオススメ。往復の手荷物料金分(600円)が安くなるので有難い。我が家はソウタと合わせて往復3,450円也。

JTB割引チケット/新穂高ロープウェイ 連絡往復乗車券
12歳以上 →2,900円のところ 2,300円
6歳以上 →1,450円のところ 1,150円
※コンビニで購入できます(※詳細はHPをご覧ください)

西穂山荘を目指して

予報が外れて晴れることを期待していたけど、ずばり予報通りでしたw。乾いた雪じゃなくて水分を含んだ少し重い雪が深々と降る中、黙々と西穂山荘を目指します。遅かれ早かれ付けることになるので、駅からアイゼン歩行で。

このエリアは八ヶ岳のように、モンスター化しないのかな。木々に降り積もった雪を眺めながら、のんびりスノーハイク。こういう雰囲気、嫌いじゃないです。雪山っぽくて好き。

前回の武尊山から新規導入した子供用のサングラス。とてもカッコよくてお気に入り。気に入りすぎて、三兄弟おソロ&パパママも同じメーカーの別フレームで揃えちゃった。家族5人、夏はこれをかけて山歩きしたい。近々記事にします。

子供のサングラスはこれで決まり!Dang Shades ダン・シェイディーズのキッズサングラスがカッコイイ

でっかいモンスターと戦ったりしながら、悪天候の中歩きます。稜線も見えないし、雪は降ってるし、標高を上げると風も強くなってきたし、テント泊大丈夫だろうか…

ソウタが珍しく足が痛いと弱音を吐いた。5kgとはいえ、慣れない重さが足にきたのかも。花粉で鼻水、目の痒みもひどく、体調が万全でなかったのもあると思う。山荘手前の急坂で、少し進んでは止まって、また少し進んでは止まっての繰り返しでペース上がらず。時間も早いし焦らずゆっくりと。

山荘が近づいてくると、天気が一変。猛吹雪と視界不良。ちょっと弱気のソウタに、この環境でテント泊はちょっと残酷だな。

荒ぶる稜線、そして小屋泊へ

吹雪。多少の風なら、テントを張っただろうけど、ちょっと厳しい。体感温度も一気に下がるし、ソウタに外で遊んでてと言えるほどの環境でもないし、無理だったw。正直、小屋手前からテント泊は無理かなって思ってた。我が家の親子登山においては、「子供と楽しく雪山歩き」が基本なので、無理はしません。この日は、僕基準でも、゛間違いなく楽しめない゛でしたから。ソウタのホッとした顔を見て、一安心。

かんぱーーい!メンバーと協議の結果、全員小屋泊へ変更(笑)ハードなテント泊を楽しみにしていたみんなに、なんだか悪いことしちゃったかな。

とりあえず、今日のピークだけは踏んでおく(爆)。偽ピークですがなにかw

安定のmoka鍋。ご馳走さまです!

雪に埋めて、インスタ映えしそうな写真を撮るためにもってきたのになぁ(笑)それは冗談で、冷える体を少量のアルコールで温めるには、ウオツカとかバーボンとか、キツイ酒だよなって。モンゴルの夜を思い出す。

荒ぶる稜線。一向にやまない強風。受付時、丸山で動けなくなったと警察に救助要請する登山者がいて、ちょっとビビった(救助到着前に自力で山荘まで戻れて無事だったようです)。北アルプスの稜線、甘くはなかったです。

ちょっと外に出ると一瞬で凍える。さすがのソウタも、外で雪遊びはできず、小屋で暇を持て余していた。ケータ君がいればなぁ(笑)

テント泊の勇者達。最終的には5張だったかな。これだけの雪壁を作っても、普通に風を受けていた。

これくらい掘らなきゃダメかw。ここまでくると、快適そうに思える不思議w

本館入口は雪で埋まっていて、良い雰囲気でした。

何度か外の様子を見に行ったけど、相変わらずの吹雪。Kidsプリマロフトパンツのテストにはもってこいの環境ではあるけど。保温パンツはやっぱりあると良いと思う。子供サイズの保温用パンツを製作しているので、良かったらショップサイト覗いてみてください。

軽くて暖かい!子供サイズの保温用インサレーションパンツ、Extreme-Pants

厳冬期テント泊も冬キャンプもこれで万全!子供用の保温パンツ、キッズプリマロフトパンツ/Kids Primaloft Pants

雪たっぷりの中、ソリ滑り。な~んて気分にもならず、小屋で呑んで食べて話して、のんびりと過ごしました。こういう山行もたまには良いよね。

今夜の夕食は信州名物の山賊焼き(鶏のから揚げ)

いただきます!ずっと呑んで食べてだったけど、夕食もしっかり頂きました。ごはん2杯で満腹っす。2度目の小屋泊だけど、なんだろう、すっかり骨抜きにされた感じ(笑)やばいなぁ、テント泊できない体になったらどうしよう。いや、それでも良いのかなw

ちょっと早めに20時半に就寝。寝る前に星が見えていたから、明日は晴れるだろうか。このまま帰ることも覚悟はしてるけど、できることなら西穂高岳独標に登りたい。晴れてくれますよーに。

後編に続く

厳冬期の西穂高岳独標へ(後編)~子供と雪山登山