2015.7.11〜7.12、長男ソウタと富士山にチャレンジしてきました。登山後編になります。(準備編・登山前編)※今回も長文です、よろしければどうぞ。
富士山の頂きへ
前日は19時に就寝。ソウタはすぐに爆睡していました。ただ、自分が少し頭の痛みを感じていました(汗)高山病で歩けなくなったらシャレにならないのでビールは我慢。。おかげさまで数時間寝たらスッキリ。大人の方も体調管理はしっかりと(笑)
2時に起床。外に出ると最高の夜景が!ソウタにも見せることができたので、本当に来て良かった。出発は4時の予定だけど、起きてすぐ歩き出すのは良くないということで小屋で2時間しっかり休みます。(去年のTatudayoさんの富士山レポを参照しました)電気の消えた大広間で小屋から支給されたお弁当を食べて、体が目覚めるまでゆっくりします。
3:40、東洋館を出発。御来光は4:30過ぎということで、1つ上の太子館で見ることができそう。ヘッデンをつけて岩場を登っていきます。他に登山者がいるので、特に怖いという感覚はないです。ここから先は、ソウタも自分も未経験の標高なので歩くスピードは亀のように遅く。今日もこのペースで歩きます。
太子館の手前で日の出になりそうだったので立ち止まって休憩。地平線の向こうがオレンジ色に染まってきた。周りを見渡せば、八ヶ岳や奥秩父の山々も雲の上からちょこんと顔を出しています。
まだ日の出前なのに、もうこんなに明るいのね。
夏山でも朝は冷え込むので、そんな時に保温パンツがあると体が冷えないので有難い。履いて行動もできるから、とても便利なアイテムだと思う。履いているのは、ノースフェイスのプリマロフトパンツキッズ。(数年後に、自らのブランドで作ることになるとは思わずw)
日が昇ってきました。
一日の始まり。この景色をソウタと見ることができて本当に良かった。今回の目的の一つでもあったので嬉しい。天気の神様、ありがとう。さぁ、今日も頑張って歩こう。
八合目に到着。太子館(3100m)東洋館から30分くらいですが1時間かけて歩きました。遅いペースで良いね。
ここで前橋のパパさんと会いました。小三と年長さんの二人連れ。一人でも大変なのに凄いなぁ。頑張って欲しいです。
ソウタは恒例の化石発掘ごっこw。休憩で立ち止まるたびに石を埋めては掘り起こしての繰り返し。楽しいんだろうね(笑)ちなみにお気に入りの石を2つほど前日からポケットに入れて歩いてます…
まぁ、リラックスするのが一番だから好きなように遊んでおくれ。おかげで進むペースも良い感じで遅い。いや、遅すぎかなw
すぐ上にある蓬莱館(3150m)
今日も個性的な岩を発見しました。足の形にそっくりだね(笑)指が6本?
この付近から赤い世界に変わってきました。山頂が近づいてる感じがします。
5分歩いて休憩。これの繰り返しです。
白雲荘(3200m)が見えてきました。小屋の前でお菓子食べたりして小休止
元祖室(3250m)に到着。
次の小屋まで少し距離があるので、トイレを済ませて休憩を多めに取りました。前橋のパパさんも居たので一緒に休憩。お互い良いペースで進めてますね。
高山病対策のため水分をかなり多めに摂取してますが、その分トイレの回数も半端なく増える(笑)小屋で休憩する度に行くので、トイレ代が@200円で2人分だとけっこうかかるんですよね。トイレ代、バカになりませんのでお金はしっかり持って行きましょう(笑)2000円以上使ったかな。同時に御殿場ルートは我が家には難しいということもわかりました。トイレが少ないと無理かも〜
雲の上の世界。昨日からこれが当たり前の光景なんだよね。
本八合目の小屋が密集しているエリアに到着。1つ目は富士山ホテル
2つ目は本八合目トモエ館。3400mまで上がってきました。トモエ館は未就学児の料金が半額なのでお財布に優しい小屋ですね。次に来るならここかなぁ。
写真はないけど、この先に3つ目の胸突江戸屋。トモエ館に宿泊していた葛西のパパさんと息子さんに遭遇しました。お互い頑張りましょう!
ついに山頂が見えた!まだ2時間以上あるけど、ゴールが見えているのは嬉しい。まずは、最後の小屋である御来光館を目指します。
CTでは残り1.5時間くらいですが、3時間くらいかける気持ちで焦らずのんびり行きます。そもそも時間なんて気にしてないんですけどね。ここからソウタとシリトリをしながら楽しく歩きます。
御来光館が近づいてきました。亀のようなスピードだけど、一歩ずつ着実に進んでる。山登りって、人生に共通する部分があると思うんだ。
左手に下山道と下山する登山者が見えました。下りは楽しそう。
眼下には小さく山中湖。よく登ってきたねぇ。
八合五勺、3450mに到着。
御来光館。ここが最後の小屋なので、恒例のトイレ&休憩をしっかりと。
小屋前で休憩している人達の中に頭痛を訴えてる人がけっこういました。
大人なら多少の痛みでも我慢して歩けるから、吐かなければ山頂まで行けちゃうと思います。子供はそういうわけにはいきませんけどね。。前橋のパパさんと「吐いたら下山」を合言葉にゆっくり行こうねと声を掛け合いました。
九合目まで残り200m、山頂まで600mです。いつもの600mとは違い、近いようで遠い山頂。今のペースだと2時間以上かかりそうだけど、時間を気にせずひたすら「遅く」進みます。焦らず亀のように・・・亀のように・・・
立ち止まるとちょっと暑いけど、時折吹いてくる風がなんとも言えず気持ち良かったりします。そして振り返ればこの景色。今この場所に息子と居られることがとても幸せです。良いコンディションで歩けたな〜
九合目付近のソウタの様子。ゆっくり、適度に遊びながら歩いているので、とても元気ですw。ただ、直前のシリトリでちょっとペース上がって息が乱れちゃいましたけど。。(汗
五合目から見えていた山頂付近の雪。ここまで来たのかと感慨深い。
運命の九合目
御来光館と山頂の中間地点まで到達。九合目手前にある鳥居を通過。
そして、ついに九合目(3600m)へ。富士吉田ルートの山頂は3710mなので、標高だと残り100m。歩く距離は400m。看板には30minと書かれていますが、自分たちは倍以上かけて歩くので、1時間以上ということ。
ソウタに疲れも見られないし、大丈夫そうだ。きっといける!
山頂の小屋が見える。本当に本当にあと少し。
ただ、この付近から大人でもわかるくらいに空気が薄くなってきました…。深呼吸をして、酸素を吸って、お菓子を食べて息を整えます。
そして、少し登ったところでソウタから「眠い」という言葉が。。え??ここで?ついにきたか・・・ここまで亀のように遅く歩いてきましたが、御来光館付近でシリトリが盛り上がって、少し息が乱れたんですよねw。深呼吸をする回数も減っていたような気がします。
どれだけ我慢強く、ゆっくりと歩けるか、息を乱さないか。これに尽きます。
ほんのちょっとの気の緩みで、すぐに高山病の症状が出てしまうもんだなぁと。
神社までおりて少し休憩。幸い眠気だけで頭痛も吐き気もなし。金峰山や、鳳凰三山の観音岳付近でも同じような状態になったことがあり、一度経験しているのが幸いでした。横になって深呼吸したり、少し眠ることで回復できるということもわかっていました。
休んでいたら、ちょうど前橋のパパさんが九合目に到着。休憩しながら、「あと少しですね。一緒に山頂行きましょう!」なんて会話を交わしました。ここに到着するまでお子さん二人とも、眠気と軽い吐き気があったみたいですが、休み休み歩きながら徐々に回復してきたということです(実際に吐いてはいない)。お菓子をもらったり、一緒に遊んだりしてしばし休憩。ソウタの眠気も収まって一安心。良かった〜。
見上げれば山頂の山小屋。距離にしてあと300mちょっと。本当にあと少し。
アクシデント発生!そして無念の撤退
山頂に向け再出発したところ、アクシデント発生!ソウタが「お腹が痛い」と立ち止まってしまいました。相当痛そうで座り込んじゃいました。。実は過去に何度かあるんですよね。今年だと2月の鍋割山、3月の雲取山で同じように腹痛を訴えています。いつもおへその上が痛いと言います。
しばらく休ませて、様子をみます。歩きながら徐々に良くなることもあったので、少し歩いてみようか?と手を繋いで進んでみるも、痛さですぐにしゃがみ込んでしまいます。。一旦、先程の休憩場所まで下がり、横になって休ませましたが痛がったままです。
彼の顔を覗き込んでみると、痛さで涙を流していました。
この瞬間に、「ソウタ、もう降りようか?」という言葉が自然と出ました。。ソウタも小さな声で「うん」とだけ。
決断は一瞬でしたね…
あれこれ手を尽くしてみてもよかったのかもしれませんが、なんだかね。彼がそう決めたのなら、それに従おうと。親の僕が言うのもなんですが、ソウタはすぐに諦める子じゃないです。いろんな山を、疲れても諦めず最後までしっかり歩いてきたのを身近で見ているので。だからこそ彼の決断を尊重したいなって。
自分も涙が出ました。記事を書いてる時も思い出して涙が出ます…
それにしても悔しいよなぁ。悔しいよなぁ。後ろに山頂が見えるんだもん。山バッジ買うって楽しみにしてたのになぁ。本当に悔しい。残念。無念。ソウタの悔し涙が辛い。
僕らが到達した場所は、画像右上にある赤白◯の場所になります。山頂はすぐそこ。ほんと運すぐそこだったね。お腹さえ痛くならなければ、間違いなく山頂に立てていた。自信を持ってそう言えます。
先行していた前橋のパパさんがこちらに気がついて手を振っていたので、ストックで×を作ってリタイアを知らせました。あまり聞き取れなかったけど、「よく頑張った〜!気をつけて下山してください」って言ってくれていたのかな。なんだか嬉しくて。。。また涙がw
傷心の二人は無言で登ってきた道を引き返します。御来光館から下山道に合流できるので、まずはそこまでおります。登る時は気になりませんでしたが、ザレた道なので下りは滑ります。ここで怪我をしたら目も当てられないので慎重に。
御来光館から下山道に合流できました。まだお腹は痛いようですが歩かなきゃ帰れないと伝えているので頑張ってます。ソウタ、頑張れ…
何を思う。。なんだか話かけられないよ
痛いけど前に進むしかないのです。
八合目の江戸屋まで下りてきました。お腹の調子は少し良くなったようです。
ここで休憩します。残ったお弁当をソウタと食べました。も、もしかして・・・お腹空いてただけ?(笑)後日、ソウタに聞いたところ、違う!という返事が。それはそれで良かったw
ここで前日写真を撮っていただいたご夫婦に遭遇。無事山頂まで行かれたそうです。ソウタの話をしたところ、「よく頑張ったよ、すごいよ」という言葉をかけていただきました。うぅ、涙が出そうになる…
雲のある位置までおりてきました。なんだかちょっと寂しいね。。
雲の中に突入。ブルとすれ違いました。
この辺りでお腹の痛みもなくなり、いつものソウタに戻っていました。何だったんだろう・・・
ただ、すごい眠いということで七合目の公衆トイレ付近で20分ほど寝かせました。2時に起きてからずっと歩いてるから、そりゃ疲れて眠くもなるよね。これは高山病とは関係なく単なる眠気でしたw。少し元気になったので、引き続き下山。
6合目付近はガスガス。
13:45、五合目登山口に到着。なんと!休憩も含めて3時間で下山できました。
大人の登山客をガンガン抜いてきたので、やっぱり走力はあるなぁと改めて。
残念な結果になったけど、2日間よく頑張りました。お疲れ様です。
休む間もなく14時のバスに乗り込んで北麓駐車場まで戻ってきました。バスを降りた瞬間にものすごい熱気を感じましたw。あ、暑いよ・・・
砂まみれの体を綺麗にするため、山中湖の紅富士の湯へ。さっきまで登っていた富士山を見ながらお風呂に入るって、なんか不思議でしたね。食事をして中央道の渋滞を避けるため久しぶりに道志みちで帰宅したのでした。
幼稚園児の富士山チャレンジ総括
ソウタは本当によく頑張りました。そのことは重々承知しているんですが・・・それでもやっぱり登頂としたという結果が欲しかったなぁw。自分たちの中ではトラブルが起きなければ登れていたという意識だったので、もう登頂したってことにしようかな(笑)
ソウタは富士山のことをあまり話たがらないので、やっぱり悔しかったんだろうね。でも次の日、幼稚園で富士山を描いてたみたい(笑)
1週間経ちますが、自分のほうが未だに落ち込んでます。それほど悔しかったし、山頂に立たせてあげたいという気持ちも強かったです。
あの時、1時間でも2時間でもお腹の調子が良くなるまで待機していたら?
御来光館まで戻り、ベンチでリラックスしてご飯でも食べていたら?
自分にできることは他になかったか?
・・・などなど考え出すとキリがないですけどね。
子供と安全に登山する
この一言に尽きると思うので、無理せず戻ってきて良かったんだと思います。山は逃げないので、またいつかチャレンジしたいと思います。ソウタも富士山は楽しいと言ってたしね。次こそは山頂で二人で記念写真を撮りたいと思います。
さぁ、次のチャレンジに向けて準備を進めますか!待ってろよ〜、No.2!
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