夏休み最後に子供達と赤岳日帰り登山

山遊び

2022.8.31のこと。去年の夏休み最後の日、夏山を諦めきれない僕らは日帰りで赤岳に登ってきた。

夏はまだ終わらない

8月15日に霧ヶ峰をぐるりと歩いて、今年の夏山が終わったつもりでいたのに、どうしても標高の高い山を歩きたくなり、夏休み最終日に悪あがき(笑)。次の日が始業式でも子供達は山に行く行く!って乗り気なので、じゃあ八ヶ岳でも歩くか!と勢いよく自宅を飛び出した。前日に茅野に移動して前泊すれば睡眠もしっかりとれる。あとは天気だ。ヤマテン予報は、それほど良いわけじゃないから微妙なんだけど、雨さえ降らなきゃ良いよねって気持ち。前日の夕方は大雨で、ホントに明日登れるの?と不安になるくらい降ってたw

霧ヶ峰ぐるり周回ハイク

茅野ベースから美濃戸山荘まで30分もかからず。めちゃくちゃ近くて最高過ぎる。車でこの林道を走るのは6年振り。ソウタと初めて赤岳に登った時は、VWの緑ヴァナゴンに乗っていて、底を何度か擦ってしまい、マフラーが凹んだ苦い思い出。今はデリカD5で車高もあるから、それほど気にすることなく運転できた。といっても、凸凹してて、十分酷いと思うよ(笑)

憧れの赤岳へ〜子供と日帰り登山

前回と同じく、今回も南沢ルートで行者小屋へ行き、そこから文三郎尾根で赤岳山頂へ。帰りは地蔵尾根から行者小屋に戻ってくる計画。前日の雨は上がり、うっすら青空が見える時もあるので、なんとか持ちそうだ。ヤマテン予報は好転してなかったけど悪くもなかった。行くしかないでしょ。

行者小屋までのコースタイム2時間が、時間以上に長く感じた記憶がある。

まだ8月。出発時は長袖でも、歩き始めたらあっという間に蒸し暑くなったので半袖になる。短パンになるほどの暑さではない。

八ヶ岳感

前日に十分な睡眠を取れたので僕の体調は良好。毎回の山酔いは、睡眠不足がかなり影響していたって事だと思う。いつも深夜運転&ほぼ徹夜登山だからねぇ。まぁ、世の中の週末ハイカーは皆同じだろうけど。

たぶんコースタイムより早めに行者小屋に着いたはず(そこまで詳しく覚えていないw)。ヘルメットは2人分しかないので、僕とソウタは小屋でレンタル@500円。ヘルメット推奨山域を年に数回歩くならレンタルで十分かもしれない。最近の我が家の山行ペースなら、間違いなくレンタルだろうね。寂しい話だけど….。

文三郎道~赤岳へ

さぁ、文三郎尾根から赤岳に登りましょうか。久しぶりにマムート階段を登るのが楽しみだ。文三郎を使ったのは無雪期に1回、積雪期に1回。僕とソウタは今日で三回目。

子供と一緒に厳冬期の赤岳に挑戦!~赤岳天望荘で年越し雪山登山(前編)

憧れの赤岳へ〜子供と日帰り登山

樹林帯の急登を登りきると視界が開けてくる。

赤い屋根が先程の行者小屋。これだけ見渡せるなら、天気も悪くないよね。

マムート階段。この日は、小屋の方が登山道を整備中。日々の維持管理活動に感謝しながら登らせていただく。ありがとうございます。

ここで思わぬ事態。高所恐怖症気味のゲンタが、高度感のある文三郎尾根で少し怖がり始めた。立ちすくむほどではないから、後ろに付いてあげて安心させながら登ることにした。先頭はソウタ、その後に高度感も気にならないユウタが続き、少しペースを落としたゲンタと僕という隊列。確かに、慣れてると気にならないけど、かなり高度感ある尾根なのは間違いない。初めてだと尚更に。ゲンタは、薬師岳の稜線でも怖がっていたし、こういうところが苦手なのは確か。

北アルプス大展望の薬師岳へ~子供とテント泊登山(後編)

北アルプス大展望の薬師岳へ~子供とテント泊登山(前編)

強風で待機

中岳の分岐に出ると稜線は強風。ちょっと身体を持っていかれそうになるくらいだったので、しばし待機。大人は問題ないけど体重の軽いユウタがグラついたりすると怖いなぁ、とか、この先さらに風が強くなったら引き返すの大変だなぁ、とか。色々なパターンを考えながら、撤退も視野に入れながら、どうしようかと悩む。子供達は引き換えすつもりはないみたいだし、後ろから来た大人2人組が先に進んで行ってくれたので、僕らも予定通り赤岳に向かうことにした。

確かに強風だけど、身体が冷えるほどのものでもなくて、時折ぬるく感じるくらい。フードを被ってグローブもして防寒はバッチリ。2021年の夏に登った日光白根山もかなりの強風だったし、何度か似たような経験をしていれば次に活きてくるもの。

日光白根山ファミリーハイク~菅沼・五色沼周回ルート

因みに、過去最強の強風は、奈良県の大峰山。当時のユウタでは身体ごと吹っ飛ばされるほどで、大人の僕でも耐風姿勢を取って少し進めるかってほど。元々、30m/秒くらいの予報値だったので、それ以上あっただろうね。歩けないほどの経験は、この日が初めてだった。

強風の大峰山(八経ヶ岳)~家族で日帰り登山

進むほどに風は弱まっていった。裏側に回ったからだと思う。ガスも取れ、南八ヶ岳の山が見え隠れしている。

楽しみにしていたロッククライミングのセクション。ここは高度感もなく、ゲンタに確認したら怖くないとのこと。良かった。集中して怪我なくいきましょう。

岩場登りは面白い。子供達も、かなり集中して楽しんでいる。こういうところを登りきった先にある山頂だから、初めての2人には、かなり達成感があるはず。

山頂まであと少し。階段も慎重に。

無事、赤岳(2899m)に登頂~!過去2回はソウタと2人だったから、こうして子供3人と一緒に登れて幸せだ。生憎のガスワンダーな山頂だけど、十分に最高でしょ。ゲンタ、ユウタ、初登頂おめでとう。

ユウタの高揚感が伝わってくる写真。

ユウタが撮ったのか、激写されていた。いつも自分の写真が少ないから嬉しい。グローブに穴(笑)

山頂の天気は目まぐるしく変わる。色んな表情があって、こういうのも悪くない。

お昼には早いけど、お腹が空いているようなのでおにぎりやパンを食べて休憩。ここで食べた物により、こんなに元気だったユウタが、この後・・・な事態に。

山頂の気温は16度。この時期の下界と比べると、圧倒的な快適温度。

赤岳登頂の喜びをしっかりと味わったので下山します。帰りは地蔵尾根を使うので、赤岳天望荘へ降りる。山頂も両脇が切れ落ちてるから慎重に通過。

ここの下りは、やはり慣れてないと怖いと思う。ゲンタとユウタは苦戦。腰を落とし、時間をかけて降りれば良いよ。焦らないのが大事。バランス感覚が飛びぬけて良いソウタは、何事もなく普通に降りていくw

激下りをクリアして赤岳天望荘。厳冬期に宿泊した思い出の小屋。じゃんけん大会、めちゃくちゃ楽しかったなぁ。

子供と一緒に厳冬期の赤岳に挑戦!~赤岳天望荘で年越し雪山登山(後編)

子供と一緒に厳冬期の赤岳に挑戦!~赤岳天望荘で年越し雪山登山(前編)

天望荘でお菓子休憩中、ユウタの様子が変だ。聞けば「気持ち悪い」と。おっと、もしや高山病?気になったのは、山頂でおにぎりやパンを食べ過ぎていたこと。しかも、脂っぽい調理パンみたいなのも食べてて、明らかに食べすぎだろうなとw。高山病と重なって、胸やけして吐きそうなってるという感じか…。うーん。

地蔵尾根の難所が続くので、転落・滑落しないよう注意しながら降りる。

背負って下山

地蔵尾根を三分の一くらい降りたところでユウタが吐いてしまった。歩くのもしんどそうなくらい気持ち悪いみたい。さて困った。親子登山をしていると色々と問題は起こる。ここでどうするのか親として試されるところ。

行者小屋まで僕がユウタを背負って降りて、僕のザックはソウタが、ソウタのザックはゲンタが背負うというフォーメーション。子供三人連れって大変なことも多いけど、こういう場面では頼れることもあるんだと実感。助かったぜ。問題なのは、僕がユウタを背負いながら、地蔵尾根の階段を下ることができるのかどうかってことだ。

吐いてしまった場所は、できるだけティッシュで拭き取り、水で流して綺麗にした。持ってきた水が全て無くなってしまったが、行者小屋までの距離は短いから問題ないだろう。

無事、ユウタを背負って地蔵尾根の階段を降りた。一仕事終えた後のラーメンが美味しい。

階段を背負って降りるのは危ないから、そこはユウタに頑張ってもらってサポートしながら。階段以外は背負って降りた。頑張ったぞ、俺。ユウタは、このまま行者小屋で30分ほど横になって睡眠。その間に、僕らはラーメンを食べてのんびりと休憩。

行者小屋から美濃戸山荘までユウタを背負う覚悟でいたけど、30分ほど寝て回復したのか、ユウタは自力で歩くことができた。さらに、ザックはソウタとゲンタが背負ってくれるみたいで、パパはまさかの手ぶら下山。嬉しい誤算。ソウタが中学生になり、ゲンタも成長し、頼れるようになってきた。有難いことなので、今日ばかりは楽をさせてもらおう。

荷物のない快適ハイキングを楽しみつつ、無事に美濃戸山荘へ下山。赤岳登頂の喜びも束の間、一転してトラブルを抱えた下山になったわけだけど、そういうのも思い出として子供達の記憶に刻まれるはず。

親子で楽しい山歩きができることもあれば、何か問題が起きるのも親子登山。子供を連れて山歩きをはじめて10年。今日のような苦労もあるけど、楽しいことも多いから、これからも子供達と一緒に山を歩き続けるよ。