厳冬期の武尊山(撤退)〜子供と日帰り雪山登山

山遊び

2016.1.23、今年初の山登り。厳冬期の武尊山をソウタと歩いてきました。

厳冬期の雪山へ

今シーズンは厳冬期と言われる12月〜2月に雪山を登ってみたいなぁと考えていた。アイゼン・ピッケル等の雪山装備も整いつつあるので、どこかで腕試しに。丹沢や奥多摩は過去に歩いているので、ちょっとレベルアップして2000m超えの山域へ。実際に歩いてみて、色々と学んでみたいという気持ち。

選んだ山は、群馬県の武尊山。初日に武尊山を登り、下山後は赤城山の麓へ移動して雪中キャンプ。翌日に赤城山(黒檜山)に登るという計画。大人なら何のことはない計画でも、子供、特に幼稚園児には厳しかったかな。

自宅を5時半に出発して、待ち合わせ場所の川場スキー場へ。スキー・スノボ渋滞に嵌り、少し遅れて、さらに、スキー場手前の坂道が凍結していたので、念のためチェーンを無料レンタル。ツルツル滑っている車が何台もいたのと、スタッドレス履いてるけど2駆だし、ヴァナゴンは車体が重いので念のため。結果、30分遅刻してしまった。ごめんなさい。

今回はラッセル隊員を2名雇いました(笑)というのは冗談で、MOMOパパさんTatudayoさん、よろしくお願いします!

スキー・スノボ客でごった返すゲレンデを、一般的に見ると変態なオッサンが横切りますw。

リフトを2本乗り継いでゲレンデトップへ移動。天気は・・・微妙w

かなりのアウェー感w

桜川エクスプレス→クリスタルエクスプレスを乗り継いでゲレンデトップに到着。アイゼンを履いて、いざ出発!(am10:00)

ソウタの前爪アイゼンは、BlackDiamondコンタクトストラップ10本爪
これジャストフィットでした。自分のカジタックスより高い買い物だったけど、しょうがないよね。

子供のアイゼンについて→子供の前爪アイゼンについて/BlackDiamond Contact Strap

歩き出しから、雪もふもふ。週の始めに大雪が降っただけある。ただ、雪が固くないので、つぼ足だと踏み抜き多数。踏み抜いて脱出しての繰り返し。脚への負担もかなりのもの。

先月の谷川岳ハイク以来の雪山。ただし、今回は晴れ!!最高だね。

頼もしい仲間のあとを歩くソウタ。頑張ってついていくんだよ。

最初の急登が見えました。あの岩壁を左から回り込むように登っていく。

この日、ラッセルを覚悟してたけど、トレースがバッチリ。何故なら、先頭の方がラッセルして道を切り開いてくれた。本当に感謝。前方に見えるのは2番手チーム。

ここから急になるけど、前爪がしっかりあるので登りが安定してる。順調に歩いてるように見えるけど、ソウタでもたまに踏み抜いて胸まで埋まったりしてた。

12月に歩いた谷川岳。晴れた日にまた歩いてみたいなぁ

1つ目の急登をクリア。目の前には真っ白な世界が広がっていました。

素晴らしい眺め。雪山最高だね!これてよかったぁ

木々もモコモコ仕様。

踏み抜きに苦しみながらも先に進む。この辺はスノーシューの方が歩きやすそう。ソウタ、初めて本格的な10本爪アイゼンを履いての歩行になるけど、特に問題はなさそう。上手に歩いてる。

と、ここでまさかのトホホw。ザックのサイドポケットに入れていた山専ボトル500mlを紛失。多分、最初の急登を登って来た時に、サイドポケットから抜け落ちたのではないかと。気が付いた付近を見渡しても発見できず。帰りに捜索することに。高かったのに〜w

前方に剣ヶ峰が見えてきた。

絶賛ラッセル中の先行者と2番手チーム。感謝しかありません。そして、泥棒してすみませんw

三角点だと勘違いして、写真撮って〜とソウタw

剣ヶ峰(2020m)に登頂!山頂、狭っ!

前方左に武尊山。果たしてあそこまで辿り着けるだろうか。

この日一番心配だった剣ヶ峰の激下りをなんとかクリア!簡易ハーネスの出番はなかったけど、慎重におりた。結構な高度感。帰りはこれを登るのね。(汗

この時点でもまだ先頭でラッセルしている方と2番手チームが視界に入っているので、ペースは遅くないのかな。いや、先頭もラッセルに時間がかかっているということか。ここからスノーシューに履き替えて進むことに。

振り返って剣ヶ峰。ここからのアングル、尖っててカッコイイ。

エビの尻尾も成長中。

太陽は隠れているけど、風はなくコンディションは良い方だと思う。ただ午後から下り坂なので、12時には引き返したいところ。行けるところまで….

この当たりでソウタが「お腹すいた〜」とペースダウン。時間も12時前だったので少し歩いたところの樹林帯でランチ休憩することに。

剣ヶ峰から結構歩いてきました。地図では1975m地点くらい。

撤退

pm12:00、 ランチ休憩 。山専ボトルにお湯を入れてきたのでカップ麺に注ぐだけ。それとおにぎりを食べておしまい。気温はマイナス10度。良い具合に寒いw

ここで先に進むかどうかを協議。時間も12時を過ぎているし、ここから山頂までさらに片道1時間くらいかかる。天気は下り坂。迷うことなくここで引き返すことに決定。経験豊富な二人は判断も早い。

実際、ヤマレコで同じ日に歩いた方の記録を見ましたが登頂が13時。リフトに戻ったのが15時半とあったから、帰りも同じくらいの時間がかかるだろうし、ここで撤退は正解だったかな。雪も多く、踏み抜きあり、歩きにくくて時間がかかったね。

今日はここまでとソウタに伝えて、記念写真だけ。今日はここを山頂とする!

寒い中、よくここまで歩いたね。この雪の量と歩きにくさ。もっと苦労するかなと思ったけど、想像以上に上手に歩いていた印象。このまま天気が良くて、時間さえあれば、と思わせる歩きっぷり。また来よう!

尖った剣ヶ峰の存在感。あれを登り返すのか…

と、ここからがとってもとっても大変だった。我が家の山歩き史上、最高に過酷な時間だったなぁw

なんて表現すれば良いのかな?プチブリザード?地吹雪?とにかく、稜線に吹き付ける猛烈な風!そして風!ホワイトアウトにはならず視界もあったので、大人なら問題なくやり過ごせるレベルなんだと思うけど、ソウタには初めての経験。

バラクラバとゴーグルで完全武装しても、隙間があると鼻と唇が一瞬で凍ってしまう。軽くパニックになったソウタが「パパ、明日の赤城もこんな感じなの?」と涙声で訴えてきたw。とりあえず手をしっかりつないで飛ばされないように。それから、「大丈夫だよ、パパがいるから安心して」と励ましながら前に進みます。地吹雪により、トレースも消えていた(怖)。これが雪山登山か。

TatuさんとMOMOパパさんに先行してもらい、我々は後を追いかける形に。とにかく風を避けられるところまで急ぎたい。無我夢中でソウタの手を引っ張って歩いた。

なんとか風を避けられる場所へ。写真の時間を見ると30分くらいの出来事だったのかな。ふと見上げると、今の自分たちを表現しているかのような、あんぐりした顔に見えた(笑)

スノーシューからアイゼンに履き替え、先に進む。あの強風の中を無事に歩けた。また1つ経験を積むことができた。

武尊山に目を向けると、先行者の皆さんがまさに山頂に辿り着こうとしているところ。頑張ってください!

武尊山には登れなかったけど、こんな素晴らしい景色が見れて今回はそれだけで十分だね。

剣ヶ峰へ戻る道。素晴らしい雪景色を見ながらの下山。

風は弱まったけど、たまに強風がw

最後の登り。剣ヶ峰への登りは結構な急坂なので注意して。滑落しないように。

剣ヶ峰をクリアしてホッと一息。そして絶景。

下りもしっかりアイゼンを効かせて降りてた。さすが10本爪。

剣ヶ峰山頂で写真を撮れなかったので、ここで登頂記念。次こそは武尊山に登るぞ〜!(いや、残雪期に来るかもw)

2年後に雪の武尊山にリベンジ成功!

武尊山の頂きへ~厳冬期・子供と雪山ハイク

左側の雪庇に気をつけながら。もう少しでゲレンデだ。

途中すれ違った方々のテント。野営されるそうです。一度やってみたいなぁ。

無事にゲレンデまで降りてこれた。自分で掘った穴に入り、写真を撮ってくれとw。今日は楽しく歩けたかな?ちなみに山専ボトルは、捜索の結果、見つからず(涙)

下山後はふじやまの湯で温泉に入り、ご褒美アイスで疲れをとりました。本当に頑張ったね。お疲れ様。

総括

武尊山に登頂できなかったけど、厳冬期の雪山は十分に体験できた。天候の変化、寒さ対策、色々勉強になることも多くて。この経験を活かし、次の山行に繋げていきたいと思う。

強風でツライ思いはしたけど、また行きたいと言っているソウタ。来月にもう一度、厳冬期の雪山に挑戦したい。山頂までは難しいかもしれないけど、我が家はチャレンジするのです。もちろん安全第一、無理はしません。

県営赤城山キャンプ場

武尊山から下山後、赤城山の大沼へ移動。湖畔の県営赤城山キャンプ場(通年無料)の辺り?でキャンプです。

Locusgear Khafra-sil

山小屋かふらしる、臨時オープン。

ビンタンビールで乾杯〜!今日はありがとうございました!2人がいなかったら山もキャンプも無理だったと思う。

Tatuさんから海鮮鍋&うどんを頂き、身体がぽっかぽか。ごちそうさまです。MOMOパパさんから赤城豚の焼き肉&キムチ鍋を頂きました。ごちそうさまです。

20時まで食べて飲んで楽しい時間を過ごしましたとさ。

寝床は駐車場。自立のステラリッジ持ってきて良かった。そういえば寒気の影響で冷え込みが厳しいというニュースを聞いたような…ま、なんとかなるか。

翌朝。温度計がマイナス14度をさしていたw。ソウタは寒がることなく朝まで。僕はちょっと寒かったんだよね。なぜだろう。シュラフカバーがなかったのと、ダウンパンツがなかったからかなぁ。

前日食べ損ねた鍋焼きうどん。カチンコチンのままバーナーへ。パワーガスは寝袋に入れていたので、無事に点火できたけど、すぐに火力ダウン。この気温だと間違いなくウルトラガスかな。MOMOパパさんが実験してましたよ。

寒かったけど、変態度が増した、楽しいキャンプだった。

我々だけかと思ったら、もう1名強者がいたみたい。この先に1張りあったとはw

大沼からの朝日。

Tatuさんにアルタイスキーをちょこっとお借りしましたが、まさかのトホホw。山専ボトルのこともあって、なんだかとてもツイテないぞ。帰宅まで3回目のトホホに怯えることに。

朝から赤城山に登る予定だったけど、ソウタが登らない宣言をしたので我が家だけ帰宅することに。MOMOパパさんとTatuさんは無事に登頂を果たしたようでなにより。行きたかったなぁ〜というのが本音だけど、子連れだからしょうがないか。実は、ソウタが登る気になったので登山口まで行ったんだけど、ちょうど風が強くなって、雪も降ってきて、気温も-10度。ソウタの体も冷えきってるし、無理してまで行く必要はないと判断して中止。コンデションの良い日に登ることにした。

厳冬期の雪山は、特に小さい子供には負担が大きいので、連チャンで登るのは止めておいたほうが良いと思う(笑)1座でも大変なんだからw。ただ、キャンプじゃなくて、旅館とかホテルなら、身体も温められるし、休められるから行けたのかもしれない。そんなことも実感した1泊2日の厳冬期山行。

寒かったけど楽しかった!また行きましょう〜