厳冬期雪山登山の保温ケース誕生!夏にはビールも保冷できちゃうOasis Pouch&Pocket

asobitogear

asobitogearで以前作った保温・保冷バッグをUpdateしたお話。

気密性の追求

以前制作した、断熱機能を持つ保温・保冷サコッシュ。Oasis Pocketは、既に勇敢な数名の方々からご注文いただいてます!ありがとうございます。

雪山登山でも使える!断熱機能を持つ保温・保冷サコッシュ

https://asobitogear.com/asobi-pocket-oasis

山でテストする機会があったので、製作に着手する前に保冷テストをしてみようということで、鹿島槍ヶ岳ハイクで、テストをしたところ、気になった点や見直したい部分がいくつも浮上。当初の試作品は、遮熱・断熱のみであって、厳冬期のテント泊ではテスト済みだけど、それは水を凍らせないため、バッテリー残量を減らさないための役割として。アストロフォイルとプリマロフトとスタンダードなTyvekを重ねた簡易ケースにもかかわらず、かなり効果的だった。

ただ、保冷となると、何かが足りない。色々調べ始めたところ、「気密性」がないのではないか。たしかにクーラーボックスではよく聞く言葉だし、家を建てる時もそうだ。いっそ、家と同じように、遮熱→断熱→気密という層で同じくバッグも作れないだろうか。調べると、気密シートなるものの存在を知り、建築時には内壁に近いところで使われていることを知る。いくつかメーカーがある中で、なんと!Tyvekから気密シートが出ているではないか。元々、タイベックソフトを採用していたので、置き換えるなら同じタイベックが良い。さっそく購入し、作ってみることにした。

改善点1。気密性向上のため、スマートベーパーバリア(可変透湿気密シート)タイベック®スマートを内張り生地に採用。タイベックソフトやシルバーに比べると、かなり硬めでハリのある生地だけど、使いにくいわけではない。寧ろ、しっかりしていて型崩れしないので、使いやすいかもしれない。表面がツルツルしているので、グローブをしても引っかかりなどは感じない。

改善点2。縫い目に気密テープを貼るという念の入れよう(笑)気密テープも建築業界では普通かもしれないけど、それをこの手のバッグに使うのは、asobitogearが初めてじゃないかな。いや、ここまでやる必要性がないと言われれば、そうかもしれないけど、できる限りの対策はやりたいので、今回は縫い目も塞いでみることにした。

Oasisポーチは、こんな感じで縫い上がります。もちろんマチ部分にも気密テープを貼ってます。一枚生地なので、縫い目は、サイド、マチ、ファスナー部分のみ。

改善点3。残る縫い目はファスナー部分。保冷テストでは、この部分の保冷力が著しく落ちていたので、対策としてファスナー被せを付けます。単に生地を被せただけじゃなくて、Tyvekシルバーを内側に張っています。どれほどの効果が見込めるかわかりませんが、少しでも効果があれば…

旭・デュポン フラッシュスパン プロダクツ株式会社のHPより拝借

改善点4。アウター生地の下にTyvekシルバーを入れる。アストロフォイルとTyvekシルバーは同じ役割(遮熱)の素材で、個人的に冬場使用で効果的だったアストロフォイルを使っています。ただし、厚みがあり嵩張る素材の為、縫製の際、すべてにピタリと配置できないのが悩み。サイドやマチ部分に若干の隙間が生まれるので、そこを補完するために、同じ遮熱材のTyvekシルバーを外側に重ねることにしました。これだと、アウター生地と同じ寸法で縫いズレも起きないので。

アストロフォイルをTyvekシルバーに置き換えれば良い…。そんな単純な話ではなく、個人的にはアストロフォイルの方が冬の保温(凍らさない)であれば効果的だと思う。軽さを求めれば、Tyvekシルバーだけで良いけど、Oasisの本領は、厳冬期の雪山ハイク&テント泊でこそ活きるはず。もしかしたらヒマラヤなどで登山隊が使うかもしれないし(爆)まぁ、それは大袈裟だけど、冬場も想定しているので、軽さに固執せず、過保護かもしれないけどTyvekシルバーを重ねることに決定。

5層構造の保温・保冷バック

アウター生地(300デニールダイヤモンド織リップストップポリエステル生地)
遮熱→Tyvekシルバー&アストロフォイル
断熱→クライマシールド3.6oz(又はプリマロフトゴールド)
気密→Tyvekスマート

5層構造で、持ち歩きできる軽量な保温・保冷バックの誕生となりました。
※プリマロフトゴールドの在庫が切れているので、今回はクライマシールド3.6ozを使用しています。

Oasis Pouchのサイズ

高さ20cm
横28cm/底21cm
マチ7.5cm
重さ100g(本体のみ)

ミラーレスカメラは余裕で入るサイズ感。雪山ならコンデジ、スマホ、ヘッデン、モバイルバッテリーetc、電池残量が気になるものを放り込んでも余裕あり。夏場はペットボトルなら2本、ビールなら3缶くらい問題なさそう。生地の影響で、内側がゴワゴワしてますが、ご理解ください。

ショルダーストラップを付けられるように、両サイドにDカン。ザックに外付けできるようにボトム付近にもDカンを取り付け。マチの部分は、少し嵩高になるけど、折り込めばスッキリして、ザック内部にもパッキングできる程に。このバッファロー柄なら、思い切ってサコッシュやポーチとして、肩掛けもアリかな。僕みたいなオッサンでも似合うならそうしたいところだけど、果たして…

Oasis Flat

Oasis Pouchより、さらに小さく、フラットタイプがこちら。ザックの隙間にパッキングできるように、あえてこの形にしてます。スマホ、モバイルバッテリー、予備電池くらいは普通に入るので、入れるものが少ない場合はこれでOKでしょう。

写真は、縫い目に気密テープ張ってますが、これはやめるw。ちょっと見た目が微妙なので、この縫い目に関してはパイピングだけで対応。こちらも1枚生地から作っているので、そこまで神経質にならなくても良いかなって。ファスナー被せも付けてます。

Oasisシリーズは三種類展開

左)Oasis Pouch、右)Oasis Flat。これにOasis Pocket(=冬用ASOBI-POCKET)が加わり、3種類展開。今後も改善は続けていくけれど、現状でも自信を持てる道具。必要かどうかという大前提はあるけど、少なくとも、必要としてくれる人がいたことは嬉しかったです。

因みに、このバッファロー柄は限定販売。今週中にはオーダー再開するので、そのタイミングで各数個だけ販売予定。気になる方がいればチェックお願いします。現在、テスト検証中。結果については改めてasobitogearブログで報告しますが、良い結果が出ています。

(追記)保冷のみですが、検証しました。ご覧ください

https://asobitogear.com/oasis-pouch-test/