どっちも使いたい~フレームバッグとフレームパッドの共存

asobitogear

asobitogearの話が続く。今回はフレームバッグの進化系について。

仕切れるフレームバッグが好評

常に新しい発想で商品を作るように心掛けているんだけど、バイクパッキングギアのメインとなる「フレームバッグ」。業界初として、「仕切れるフレームバッグ」を開発し、販売中。仕切れる機能を便利だと考えるサイクリストやサイクルショップさんのおかげもあって、とても好評です。(自画自賛すまん)

3枚目のポストは、SDA王滝のレースに出場する方に向けたカスタマイズタイプ(残念ながら延期になっちゃいましたが)。ボンベ用ポケットとか、ちょっとした工夫を施してる。例えるなら、TJAR(トランスジャパンアルプスレース)に出場する選手にバックパックを提供するような、そんな光栄なこと。

仕切れるメリットは、街乗りでより発揮されると思うけど、ロングライドのレースやバイクパッキングでも、良いことが多い。スペースを分けることで、「荷が揺れない」のは最大のメリットじゃないかな。もちろん、小分けにすることにより「荷の整理」もできるから、取り出したいものだけをスムーズに取り出せる。というのは、ハイカーがパッキングする際にも通じること。地味な機能なんだけど、最大限の効果を得られる。僕はそう思う。ガバッと入れたいときは、仕切りを取れば解決。どっちのタイプでも使えるというのも、このプロダクトの特長。

とは言え、見た目や色使い、好きなブランドさんを使いたいetc。商品って、機能面だけで選ばれないもので、だからこそたくさん選択肢があるんだよね。そんな中で、asobitogearのバイクパッキングギアが目に留まったり、気に入ってくれる人が一人でもいれば嬉しいよね。

フレームパッドも使いたい

さて本題。取引先のサイクルショップさんから、ペップサイクルズ用とは別メーカーの別タイプのフレームバッグ製作依頼をもらっている。ペップサイクルズ用のフレームバッグを取り扱いしてもらっていて、仕切れる機能はとても気に入ってもらえているので、同じ仕切り機能で「フレームパッドも一緒に使える」フレームバッグを製作できないかというのが依頼。

その自転車は、ブレーキやシフトのワイヤーを留める箇所がなくて、トップチューブに結束バンドで留める方法。その為か、自転車とセットでとあるものが売れるらしい。それがフレームパッドなんだって。トップチューブの保護をしつつ、結束バンドも隠せるという理由で、買われる方が多いと。なるほど~。そういうニーズもあるんだね。

2月時点では、この一体型でほぼ完成に近い状態。写真はファーストサンプルで、いくつか×な箇所があるやつ。6月になってしまったけど、最近ようやく仕様がFIX。7月頃には製品化されてショップで販売されるはず。って、製作が間に合うかどうか微妙なトコロなんだけどw。こちらはasobitogearでの販売はなし。

で、だ。この製作過程で、どうしてもフレームパッドとフレームバッグが分かれたタイプを作りたくて、さんざん頭を悩ましたんだけど、なかなか解決策に辿り着くことができなかった。いや、柔軟な発想ができてなかっただけなんだけど、最近、久しぶりにショップさんで打ち合わせして、自宅に帰ってきたら、ふと閃いたというか、辿り着いたというか。答えはとてもシンプルだった。

フレームパッドを二分割にする。それが答えだった。

フレームパッドは長い一本タイプ。というイメージに捉われてすぎた。そして、もう1つ、フレームバッグはマジックテープでの留めるもの。という固定概念。この2つが邪魔をして、簡単な答えに辿り着けなかったのかな。

上部にナイロンベルトで大きなループを付けた。その間に、フレームパッド(2mm厚クッション材入りの薄いやつ)を通して、トップチューブに巻き付ければOK。

懸念事項はあって、それは「固定強度」。フレームパッドが23cm~25cmくらいなので、ループの「たるみ」が生じる。前後の縫い付けも細い「線」になるから、重い荷物が入ると、バッグ本体が下がってしまう。やはりマジックテープ3点固定に比べると、明らかに固定強度が低いと言わざるを言えない。さらには、ベルトの劣化による「伸び」も考えると、何年か経過したら付け替えも必要なのかな…とか、思いつくだけのデメリットを並べてみた。

解決策になるかわからないけど、今回はマジックテープを取っ払ったけど、残すことで、重い荷物やロングライド時はマジックテープ固定。軽めの荷物や街乗りで保護が必要な場面には、フレームパッド固定。2つを使い分ければ良いんじゃないかな。マジックテープを使わない場合は、ベルトの下に寝かせておけば良い。

あとは、仕切りが自由に移動できるので、重い荷物を真ん中のスペースにして、前後は軽めの荷物を。仕切れるからこそ、このシステムが活きてくるという面白さ。

リバーシブル

もちろんメリットもあるよ。純粋に「保護」することはもちろん、フレームパッドをリバーシブルに作ったので、裏表で着せ替えが楽しめる。見た目(色)を手軽に変えられるのは良いアイデアじゃないかな。

マルチカムを裏返して、フレームカラーに合わせたグレーを巻いてみる。フレームバッグにフレームパッドって、正直野暮ったさがある。これは他の方も同意見だった。できるだけフレームカラーに合わせると、少しは軽減するのかな。片方は遊び色で、片方はフレームカラー。とかね。

分割されたパッド。フレームバッグを外して、パッド単体でも使えるし、1つをトップチューブ、もう1つをシートチューブに付ければ、担ぎ上げるときの肩パッドにもなるよ。

フレームバッグとフレームパッドを一緒に使う事なんてないよ。そう思う人が多いのが現実だろう。きっと、どちらも使いたい派は小数だと思う。その少数派に向けたプロダクトを作るのが、asobitogearらしいと言えるかもね。そしてこの共存システム、ありそうでない、誰も作っていない、販売されていないプロダクトでした。