2018.5.20、中央アルプスの最南端にある恵那山を歩いてきました。
恵那山は本当に地味なのか
恵那山。登山をやっている人間でも、なかなかピンとこない山かもしれない(失礼w)。ググると、恵那山と皇海山が地味な百名山ツートップとか、「地味」「渋い」というワードの圧倒的に多いことw。個人的には、去年歩いた塩見岳から見えた恵那山は、どっしりと、遠くからでも恵那山とわかる山容だったので、いつか登ってみたいなぁと良い印象を持ってました。
本当は尾瀬の燧ヶ岳にテン泊予定でしたが、生憎の天気で中止。北方面の回復が遅くなりそうな予報だったので、南側へ切り替えたところ、まだ歩いていない百名山の恵那山があった!という経緯で決定w。同じ中央アルプスの空木岳も候補でしたが、残雪状況と稜線の暴風予報で断念。久しぶりに雪を踏みしめたかったんですが、ソウタの手もまだ完治してないので、無理せず恵那山にw
恵那山(えなさん)は長野県阿智村と岐阜県中津川市にまたがる、木曽山脈(中央アルプス)の最南端の標高2,191 mの山である[2]。日本百名山[3]及び新・花の百名山[4]に選定されている。(wikipediaより)
花の百名山とは!でも、まだ5月。そんなに期待はできないかな。
前泊
土曜の昼に、去年焼岳を一緒に歩いたS君のお父さんをピックアップ(S君は部活で来られず)。3人で、前泊地の中津川へ移動。夕方、クアリゾート湯舟沢で温泉&夕食を済ませてから、そこから林道で約40分。神坂峠の登山者駐車場に到着。
21時過ぎまで軽く飲んでから、なんちゃって車中泊仕様でフラットにして就寝。0時頃に色々ありまして、(詳しくはこちらの記事を)目が覚めてしまいましたけど、そこそこ眠れました。
4時過ぎ起床で朝ごはんを食べて5時過ぎにスタート。帰りのことを考えて、昼に下山したいので、早目出発となりました。
展望の良い神坂峠ルートで
恵那山へのアプローチは4つあって、その中でも古くからある、展望の良い「神坂峠」のコースをチョイス。縦走路のため、アップダウンもあり、歩きごたえのありそうなコース。
5月でもまだ冷え込みますね。ソウタはダウンを着てスタート。
朝日を浴びて。山の朝に相応しい光景だ。
雲海が見事でした。これ見れただけでも、来て良かったぁ。もうこの時点で、ナイスハイク!宣言。
スタートしてすぐにイワカガミ。この標高で咲いてるとは驚いた。
馴染みのない山域なので、見える山も新鮮。御嶽山がこんなに間近にあるんだね。白山も見えていたし、乗鞍・北アルプス・南アルプスと、噂通りの眺望でした。尾根歩きはやっぱり気持ち良い。3年前に歩いた木曽駒ヶ岳がガスワンダー過ぎたので、この景色が見れなかったのね…
真っ青な空に向かって。
神坂峠は駐車場が少ないので、このコースは登山者が少ないだろうと予想していたけど、予想通りでした。この日すれ違ったのは数組程。最短距離で登れる広河原が人気ルートなのかな。
しばらく歩けば、千両山からの恵那山ドーン!デカイ。一体どれが山頂なんだw
千両山から一気に下れば、登山口よりも標高が低い鳥越峠に到着。下山時に登り返しがあると思うと、ちょっとツライ。恵那山まで3時間の看板。
しばらく緩やかなトレイルを進んでいく。
ウバナギを超え、緩やかに登って、大判山(1696m)に到着。
徐々に恵那山が近づいてきているけど、まだまだ先は長い。でも、トレランやる人なら1時間程で駆け上がるだろうから、どんだけ速いんだというw
葉が5枚なのでバイカオウレン。3枚だとミツバオウレン。
雲の動きが早く、一気に飲み込まれそうな予感。と、写真を撮った数十分後に、見事に飲まれてしまった。でも、空は薄っすらと青いので、標高を上げれば、いずれ抜けるでしょ。
恵那山 富士見台縦走路を歩いております。
途中の天狗ナギ付近は、切れ落ちてるので、子連れは慎重に。でも、危険個所にはロープが張られていたり、立ち入り禁止の看板があったりするので安心。それと、笹が凄くて、軽く藪漕ぎする感じのところもあるので、長袖長ズボンが良いと思う。短パンハイクもやりたかったけど、マダニはもちろん、怪我も心配なので、おとなしく長ズボンで。
天狗ナギを超え、傾斜がキツくなると最後の登り。ここを登り切れば、あの平べったい尾根の右側に出る。岩ゴロで少し歩きにくい。
意外と急登でした。前宮コースとの分岐に到着。山と高原地図では20分ちょっと。とある地図では10分って書いてたな。でも、この看板は40分。バラバラ過ぎるw
どこが山頂かわからなかったエリア。想像通りの緩やかなトレイル。
中津川方面。道中にはこんなポイントがたくさんあるんで、展望の良いルートというのは間違いない。ここに至るまでにも、御嶽山、乗鞍岳、穂高連峰、南アルプスが綺麗に見えていたので、気持ち良く歩けました。
恵那山山頂小屋(無人)に到着。ここが山頂かと思ってたら、まだ先でした。あの看板の40分はちょっと盛りすぎだと思ったけど、案外良い線いってるかもw。
まだ、8時なので、先に山頂へ行っちゃいます。
恵那山(2191m)に到着~。久しぶりの百名山。そして、ソウタ、復帰おめでとう!まだ手先に痺れが残っているけど、それ以外はご覧の通り元気一杯、笑顔一杯のいつものソウタ。良かった。
S君のお父さんと3人で。次はS君と一緒に歩きたいね。
山頂はこんな感じ。展望のない展望台に登ってみたけど、まったく展望がないわけじゃない。ただ、道中にナイスビューポイントがいくつかあるので、そっちの方が景色良いよね(笑)かなり昔に作って、周辺の木々が伸びちゃったというオチかな。
小屋に戻って早目のランチといきますか。
恵那山山頂小屋
小屋前の広場でカップ麺と大福食べて、エネルギーチャージ完了。時間が早いからか、人も少なくて快適でした。
とても綺麗
土間には薪ストーブ
小屋の中を覗いてみました。2回目があるなら、積雪期に小屋泊してみたいな。
小屋裏の岩場から、南アルプス。鳳凰三山、仙丈ヶ岳、北岳、間ノ岳、塩見岳と歩いた。今年こそは南ア南部を歩きたいんだな。甲斐駒は、来月のどこかで天気が良ければ狙ってる。
→黒戸尾根から日帰りで甲斐駒ヶ岳に登りました!
新潟の親子遭難の件もあって、色んな不安を抱えての山行だったけど、やっぱり一緒に歩けて良かった。ソウタが山好きだとは言え、単独で歩ける年齢でない以上、親が子供の命を預かって山に入るという覚悟。そのための事前準備、装備、知識、経験etc。自然相手である以上、100%安全なことはないからこそ、できる限りの努力というか、そういうことは怠らず、山と真摯に向き合いながら、無理のない範囲で楽しんでいけたらと思うのです。
我が家も必ず携帯してますが、ココヘリって大事だよなって改めてw。GPS発信機があれば、助かった命だったのではないかと思うと、残念でなりません。
小屋でのんびりしたところで、下山開始。今日はピストンなので、同じルートを戻ります。後でわかったんですが、広河原に降りて、林道を歩いて神坂峠まで戻れば周回できたみたい。もちろん逆も可能で、広河原から入り、神坂峠に降りて、林道で広河原まで。こっちが人気のようで、レポも多かったです。距離は増えるけど周回コースも面白かったかな。
笹藪っぽいのはこんな感じ。足元の道は明瞭なので、迷うことはないけど、天気が悪いと、道迷いが怖いかも。ソウタの身長だと、顔くらいまでありました。
樹林帯だと飽きちゃうけど、尾根を歩いて行くので、こうやって景色を楽しみながら。
天狗ナギ付近。ナギって「薙」って書くのを始めて知る。
薙とは、山崩れによって運ばれてきた岩や小石がゴロゴロ転がっている場所のこと。岩は土砂の色から赤薙、白薙、黒薙などということもある。自然に崩壊したもののみ「薙」と呼び、人為的に発生したものは含まれない。ガレ場ともいう。
苔も良い具合。
真ん中に大判山、その奥が神坂峠方面。左奥には中央アルプスの峰々。空木岳にも近々行きたい。
御嶽山を見ながら、ぐんぐん下っていきます。
キノコ達
名前はわからない
大判山の登り返し、千両山の登り返しと、なんとかクリアして、最後のセクション。S君のお父さんがいるので、今回は走りなし(笑)ここ、走ったら間違いなく気持ち良いところ。
無事、ゴーーール!お疲れさまでした。12時下山は予定より早かったね。
神坂峠の駐車場状況。5台程度とありますが、工夫次第でこれくらい停められるみたいです。奥の車、出すの大変そうですがw
昼神温泉
湯ったりーな昼神で下山後のお風呂。すべすべな良いお湯でした。
恵那山まとめ
恵那山の神坂峠ルート。展望良しというのは本当でした。周辺の山々を見ながら歩けるのは、気分が違いますね。ただ、アップダウンがあるので、それなりに体力は必要かもしれません。距離にして13.5km。歩き慣れている子供であれば問題ないのかな。5月なので、お花は少なかったですが、花の百名山ということで、次があればお花の最盛期に歩いてみたいです。
今回はソウタを先頭に、彼のペースで歩かせました。コースタイムは、0.6~0.7とそこそこ速いのかな。体力面の心配はなし。あとは左肘の可動域が戻って、一番は左手の動き。まだ力が入らないので、鎖系は厳しそうなので、もう少し様子見しながら、夏山シーズンまでにトレーニングしたいと思います。
地味だなんて言わせない。恵那山、良い山でしたよ。ありがとう!
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