久々の新作ネタ。子供サイズのシュラフ(キルト)作りました。(→現在は、ULブランケットに名称変更)
プリマロフトで子供用シュラフを
我が家では、キュムラスのX-Lite200という390gの軽量ダウンシュラフを使っているので、もう大大大満足なんですが、もっと適当に扱える化繊の暖かいシュラフ、できれば、ソウタの身長に合わせた短めのものがあったら欲しいなと思ってました。某コールマンなどの安い化繊の子供用ではなくて、OMMのマウンテンレイド1.6くらいのスペックで短めのやつ。もちろん、そんな都合の良いシュラフは存在してなくて、作るしかないんだけれど。構想から2年。ようやく、知識やスキルが追い付いてきたので、形にしてみた。
化繊界の王者と勝手に思っているプリマロフト(個人的見解ですw)を使います。僕はプリマロフ党なので、プリマロフトを使った子供用の道具があったら、即買いですw。実際は、子供用のウェアや道具に、この高級機能素材はまったく使われていないのが現実なんだけど。だからこそ、作る意味もある。
ダウンより化繊インサレーションが良いなと思う個人的理由として
- ダウンより雑に扱える(気がする)
- 多少濡れても(湿気を含んでも)保温力が落ちない
- 林間学校などに持たせるなら、気持ち的に化繊(笑)
1と3は、ほぼ同義なんだけど、特に3番目。わかってくれる人いるかなぁ。カリカリのUL装備で山を歩くとかじゃなくて、林間学校などでシュラフが必要な場合は、1kgくらいの重い化繊シュラフだと、嵩張るし重いしで可哀想。とは言え、数万円もするハイスペックシュラフを持たすのもちょっとね…って時に、2万円くらいの化繊インサレーションシュラフなんかがあると最高だよね。軽量でコンパクトで保温力もあるやつ。そんなものを今回は作ってみた。
子供サイズの必要性は?
子供サイズのシュラフが必要かどうかという話。ずばり言えば、たぶん必要ないのかもしれない。身長が伸び盛りの時期に、短めのサイズが必要かと言われたら、金額的な問題もあるし、大人用を1つ買えば良い。と答えると思う。それが普通の感覚。
一方で、市販品ではジュニア向け寝袋は普通に売っているし(コールマンなど)、かの有名なシュラフメーカーのキュムラス(ポーランド)でも、junior sizeがラインナップされてるし、さらにカスタムオーダーだと、長さが145cm~から購入可能だから、子供向けや小さめサイズのニーズが一定以上存在しているのも事実。
この5年間、子供に200cmほどの大人用シュラフを使ってきた感想としては、やっぱり大きいのよね。足元の部分がもう少し省けたら、もっと軽くなるのに…と思ったり。もう今では、ちょうど良いサイズになりつつあるんだけどねw
Kids Primaloft Quilt
作るからには、実戦で使えるものに。まず、長さは思い切って150cmで攻めてみる。その代わり、マミー型ではなく、ある程度可変可能なレクタタイプに。中綿には、既に様々な場面で高い保温力が証明されているプリマロフト。その中で最上位モデルの「プリマロフトゴールド」を採用。保温力に妥協ナシです。アウターとインナーのシェルは10デニールの薄手の生地を使用し、できるだけ軽量化を図る。そんなところでしょうか。目標重量は350g切り!
色はBurnt Orange。エマージェンシー的な色で、シュラフに使ったら格好良いだろうなって思い、採用。想像通り、良い塩梅です。10デニールのMEMBRANE10というナイロン生地は撥水加工された通気性のある生地。薄いけど、しっかりしているので、子供が手荒く扱っても問題ないでしょう。万が一、破れたって、羽毛が飛び散るわけでもないから安心。すぐにリペア生地を貼ればOKという気軽さが、やっぱり良いよね。これ、林間学校で大活躍間違いなしだわ(笑)
可変キルトというか、レクタ型の布団というか。長さ150cm×横140cmの長方形。上下にドローコードを付けてどちらも絞れるように。
実際に寝る時は、半分に折り曲げて、足元寄りの下半分をクローズして、裾をドローコードで閉じる。背中部分はオープンのままで、ここはマットで補完。暑ければ、絞らずに掛布団にすれば良い。このあたりの自由度が、手持ちのマミー型シュラフにはないところかな。
単体のシュラフだけじゃなくて、広げれば厳冬期の雪山で使う二人分の敷布団に早変わり。ここ2年、プリマロフトのブランケットで検証済みだけど、プリマロフトを地面からの冷気遮断に使うのは、一定の効果が得られているのでオススメです。マットの上にこれを敷いて、その上に冬用シュラフで眠ると、結構ポカポカになるんです。他にも、インナーシュラフとして使ってもOK。150cmというサイズは、インナーには大きすぎなくて丁度良いはず。足はダウンブーツを履くだろうから、ふくらはぎから胸くらいまでを温めるなら、150cmあれば十分。子供用キルトとして設計はしたけど、マルチパーパスなキルト?ブランケットなんです。
目標だった重さについて。プリマロフトを普通に入れていれば170g。ただ、それでは少し心細かったので、胸~腹部分にかけて60gを増量してみたんです。そしたら、総重量が410gという、キュムラスX-Lite200より20gも重くなるというオチ(笑)しかも、収納のコンパクトさにおいては、圧倒的にダウンに軍配なので、今より重くて嵩張るシュラフ(キルト)を作ってしまったことになるw。保温力がより高まったので、それで良しとしたいけど、次作る時は、プリマロフト増量ナシでいきたいと思います…。増量分がなければ、目標だった350gで着地。
比較表
MountainRaid 1.6と数値比較。
OMM MountainRaid 1.6 | Kids Primaloft Quilt | |
重量 | 430g | 410g |
サイズ | 205cm(全長)65cm (幅)35cm(足元) | 150cm(全長)140cm(幅) |
収納サイズ | 22 x 15 cm | |
生地 | シェル:PointZero | MEMBRANE 10 nylon /0.6oz |
中綿 | Primaloft GOLD 100g(表面)/m2 60/m2(背面) | Primaloft GOLD:170g+60g |
価格 | 34,500円(税抜) | 20,000円※予定 |
値段はさておき、保温力は増量した分、1.6より高いでしょう。収納に関しては、スタッフサックを作ってないのでなんとも言えないけど、同じくらいか、少し嵩張るかも。まだまだ無名のasobitogearだけど、作りたい想いさえあれば、ここまでできるんだ。
改善点は
- 横幅を140→120cmへ。就寝時(シュラフ形態)には60cm幅。
- プリマロフトは増量せず、約160~170gで固定。総重量を350gへ
初回で、かなり理想に近づけられたので満足してます。素材、重量、サイズ、他を探しても見当たらないですね。
身長130cm超のソウタが入っても、足元にはまだまだ余裕あり。6年生くらいまでは使えるかな。使用状況としては、これ以外にダウンジャケットやプリマロフトパンツを併用するので、合わせ技で0℃前後くらいまで問題なく使えるはず。
今のところ予定はないけど、夏山長期縦走だったら、ダウンのキュムラスではなく、こちらの化繊キルトを選ぶだろうね。湿気の多い時期なら濡れを気にせず使えるのは、やっぱり大きなメリットだと思う。
さっそく週末に実践テストを!と思ってたら、なんだか戻り梅雨とかで雨予報。残念ながら日帰り山行になりそうな予感。とほほ
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